外構工事におけるカーポート設置の法律と補助金制度を徹底解説

外構の駐車スペースにカーポートを設置することで、雨や雪から車を守れます。カーポートには柱の数や形、耐久性など豊富な種類があり、最適なタイプを選ぶ必要があります。また、建蔽率や税金にまつわる法律も把握しなければならず、事前の確認が重要です。この記事では、カーポートの基礎知識から設置時の法律と補助金についてご紹介します。

外構工事におけるカーポート設置

カーポートとは?ガレージとの違い

カーポートは柱と屋根により車を雨や雪、さらに紫外線や風、ほこり、鳥の糞から守る外構設備の一種です。玄関からカーポートの距離が近ければ、雨や雪が降っていても傘をささずに車の乗り降りができるという魅力もあります。柱と屋根を設置するだけなので工事にかかる期間や費用が比較的抑えられ、外構完成後の取り付けも容易です。カーポートの種類、カラーによっては外観のデザインを損ねにくいですが、使用用途や予算に応じて最適なタイプを選ぶことが大切です。

カーポートと同じく車を保護してくれるものがガレージです。カーポートとの大きな違いは、三方が壁に囲まれ、前面にシャッターが取り付けられているという点です。ガレージは存在感があり、狭い外構には設置しにくい、無理に設置すると外構が窮屈な印象になってしまうというデメリットがあります。一方で、デザイン性が高く、内部の壁紙や照明、収納棚などによっては駐車スペースとしてだけでなく趣味を楽しむスペース、子どもが遊べるスペースとして活用することも可能です。

 

 

カーポート設置前に確認したい法律

カーポートもガレージも法律上では建築物と同じ扱いになるため、設置前には法律を確認しなければなりません。建蔽率、建築確認申請、さらに固定資産税を確認した上で最適な設置方法を選びましょう。カーポートや外構の施工実績が豊富な業者に相談すれば、知識がなくても最適な方法を提案してくれます。

 

建蔽率に注意する必要がある

カーポートは建築物に該当するため、設置の際は建蔽率を守らなければなりません。建蔽率とは敷地面積における建築物の面積の比率のことで、上限は角地や防火地域などの土地の条件、耐火建築物など住宅の仕様によって変動します。敷地が広くても、建蔽率を超える建築物を建てることはできません。住宅を建蔽率の上限近くまで使って設計した場合、カーポートを設置できない可能性があります。

また、住宅の施工と同時にカーポートの設置も検討している場合は、事前にカーポートの面積も含めて住宅の設計を考えなければなりません。一方で、柱の間隔が2m以上ある、壁のない部分が4m以上あるなどの条件を満たすと建蔽率の緩和を受けられます。緩和の制度も利用して、賢くカーポートを設置しましょう。

 

建築確認申請が必要になる

建築基準法では、建築物を建てる際に事前に建築確認を受けなければなりません。床面積10㎡以上の建築物の設置には必須なのが建築確認申請です。2台、3台用の大型のカーポートを設置する際は建築確認要請を忘れないようにしてください。この申請を怠ると違法建築物とみなされ、不動産の評価額が著しく下がります。

さらに、買い手にカーポートが違法建築物であることを告知しなければならず、値下げを交渉される可能性も高いです。違法建築物であることを告知せず売却した場合は損害賠償を請求されるため、必ず告知しなければなりません。建築確認申請は設計図の提出など専門的な知識が必要ですが、カーポート施工業者に依頼すれば手続きを代行してもらえます。

 

固定資産税に注意する

固定資産税は不動産や償却資産にかかる税金です。屋根があり、基礎が固定されており、さらに三方が壁に囲まれている建物には固定資産税がかかります。つまり三方に壁がないカーポートには固定資産税はかかりません。ですが、住宅とカーポートの距離が近すぎて三方に壁があると判断される場合は固定資産税の課税対象になる可能性があります。外構の大きさに合わせ、余裕のあるサイズを選ばなければなりません。

 

ソーラーカーポートの補助金制度

カーポートの屋根部分に太陽光パネルを取り付けるソーラーカーポートは、省スペースで効率的に太陽光発電を取り入れられる装置です。発電した電力を自宅で利用できる他、売電することもでき、地球環境にも優しいとして注目を集めています。
環境省は「新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」として、ソーラーカーポートなどの設置に助成金を出しています。ですが、この制度は民間企業、学校法人、医療法人など、経営基盤が確立されている事業者を対象としています。現在国からの個人向けの補助金制度はなく、各地方自治体の制度を利用しなければなりません。自治体の補助金制度を利用する場合は、対象となる条件や補助金の上限、さらに申請期限も確認してください。

自治体の補助金制度は毎年申し込み期限が決まっているものが多く、期限内でも予算が上限に達すると申し込みが締め切られます。事前に申請内容を確認し、申請期間がスタートしたら早めに申し込みましょう。全国にはさまざまな太陽光発電に関する補助金制度がありますが、今回は一例として、香川県の「かがわスマートハウス促進事業補助金」をご紹介します。

 

かがわスマートハウス促進事業補助金

香川県内で住宅用太陽光発電システムを導入する、ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)を新築、改修する、住宅用蓄電システムを設置する、さらに住宅用V2Hシステムを設置する方を対象にした補助金の制度です。住宅用太陽光発電システムの場合は1kWあたり13,000円を補助してくれます。新築の上限は25,000円、既築の上限は50,000円までです。ZEH住宅の新築、改修は定額で20万円補助してくれます。

募集期間が定められていますが、人気の制度であるため、毎年申請期限よりも前に申し込みが締め切られています。香川県では、対象が増えたり補助金の金額が変わったりしながら毎年太陽光発電を対象とした補助金制度が施行されているので、情報を見逃さず、早めに申請できるよう準備を進めておきましょう。

 

固定資産税の課税対象になる可能性がある

カーポートは「三方を壁に囲まれている」という条件にあてはまらないため、ソーラーカーポートであっても基本的に固定資産税はかかりません。ですが、発電量が10kw以上のソーラーカーポートは通常のカーポートとは違い、固定資産税の課税対象です。ソーラーカーポートは一般的なカーポートと比較して初期費用もランニングコストも高額になるため、設置後のコストも考えて導入を検討する必要があります。

 

目的別カーポートの選び方

カーポートは車のサイズや台数、周辺の環境などに応じて最適なタイプを選ぶ必要があります。カーポートを設置する目的を明確にした上で、外構に合うカーポートを探しましょう。

 

車のサイズに合わせて選ぶ

車の高さ、横幅、奥行きを確認してから、ゆとりのあるサイズのカーポートを選びましょう。ドアを開閉しやすいか、将来より大きな車に買い替える可能性はないかを考えてサイズを決定することも大切です。余裕を見て大き目のカーポートを選ぶ際は、建蔽率を超過しないよう確認してください。

 

車の台数に合わせて選ぶ

カーポートには2台用、3台用もあり、複数の車を所持している場合にも設置できます。現在車が2台以上ある場合だけでなく、将来増える予定がある、または自転車置き場や遊具置き場として活用したい場合にも複数台用のカーポートが便利です。

 

積雪量や強度に合わせて選ぶ

積雪量、強度に合わせて最適なカーポートを選ぶ方法もあります。雪が多いエリア、海風が強いエリアはとくに強い強度のカーポートが必要です。積雪地域に対応したカーポートもあるため、強度だけでなく雪下ろしのしやすさも踏まえて選びましょう。

 

外構のデザインに合わせて選ぶ

カーポートはガレージほどの存在感はないものの、住宅の外構デザインの印象を変えてしまう可能性もあります。シックな外構には重厚感のあるデザインのカーポート、シンプルな外構にはすっきりとしたデザインのカーポートなど、外構デザインに応じたカーポートを選びましょう。屋根部分がポリカーボネートのカーポートは色の選択肢が豊富で、外構のデザインを重視したい方にも適しています。

 

カーポートの種類と特徴を確認

カーポートには複数の種類があり、それぞれに違った特徴があります。デザイン面だけでなく性能も重視し、駐車スペースに最適なカーポートを選ぶことが大切です。

 

片側支持タイプ

左右の一方に二本の柱があり、屋根を支えるタイプです。1台のみ、積雪量の多くないエリアなら片側支持タイプで十分対応可能です。片側支持タイプはコストも抑えられるというメリットもあります。

 

両面支持タイプ

左右四本の柱で屋根を支えるタイプです。安定感があり、積雪量の多いエリアや強風が気になるエリアでも安心です。2台から3台の駐車スペースにも最適です。

 

後方支持タイプ

背面に二本の柱があるタイプです。ドアの開閉がしやすく、駐車スペースが小さい外構にも設置しやすいです。空間を有効活用したい場合は後方支持タイプが適していますが、一般的な片側支持タイプよりバリエーションが少ないというデメリットがあります。

 

合掌支持タイプ

真ん中に柱が二本あり、左右に羽を広げるように屋根が伸びているタイプです。2台分のカーポートを設置したくても、柱を4本設置すると駐車スペースが狭くなってしまうという場合に適しています。

 

吊り支持タイプ

二本の柱の上部から屋根を吊り下げるタイプです。片側支持と似ていますが、片側支持よりも強度が高く、柱も邪魔になりにくいという特徴があります。

 

まとめ

カーポートは車を守るため、そして快適に乗り降りするために便利な外構設備です。設置を検討する際は、建蔽率や税金などの法律を確認し、違法建築物に該当しない範囲で適切なサイズ、種類のカーポートを選びましょう。当社はプランニングから引き渡しまで、徹底的にお客さまの理想の外構づくりをサポートしています。カーポート設置についてのご相談も承りますので、お気軽にご相談ください。

 

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