おしゃれで機能的なブロック塀における外構リフォームのポイント

塀は家の外観と同様、建物全体の印象に大きく関わりますが、なかでもブロック塀は馴染み深い素材のひとつです。近年のブロック塀は色合いも素材も幅広くなってきており、デザイン性の高い外構リフォームが容易になりました。しかし、ブロック塀の特性や劣化した素材をそのままの状態にしておくと、倒壊の恐れやケガにつながる恐れがあります。この記事では、ブロック塀における素材の特性や施工ポイントをお伝えします。

おしゃれで機能的なブロック塀における外構リフォームのポイント

ブロック塀が外構リフォームに適している理由

ブロック塀とは、ブロックを積載して造成された塀のことを指します。扱われる素材としては、石材・コンクリートなどが使用されるのが一般的です。国土が狭い日本では、隣家との境目を設ける素材として機能していました。時代を超えた現在でも、家の建設や外構リフォームにおいて重要な役割を果たしています。一般的な使用用途としては、隣接する建物や道路・歩道などの境界線を設けることで、目隠しフェンスとしてプライバシーを確保します。ほかにも、家の外壁が直に雨風の影響を受けないように建物を守ります。

ブロック塀は、ホームセンターなどでも比較的安価に購入できる素材です。そのため、外構リフォームをDIYするケースが増えていることから、形状やカラーバリエーションが豊富でカスタマイズがしやすいです。しかし、圧縮強さによって形状が異なるため、使用目的に合わせて選ばないと安全性を確保できないでしょう。

家庭でブロック塀の外構リフォームを楽しむ傾向が高まっていますが、専門業者に工事を依頼すると安全かつ時間を有効活用できます。ホームセンターなどでは取り揃えていないデザイン性の高いブロック塀を設置することもできるため、建物全体の印象をワンランクアップすることが可能です。ほかにも、アルミフェンスなどの素材と組み合わせたブロック塀の外構リフォームは、カスタマイズ性が広がるため、オリジナリティ溢れる空間演出を実現できます。

 

 

ブロック塀にするメリット・デメリット

古くから建物の周りを囲う外構として活用されていたブロック塀ですが、現代でも利用される背景としてあげられるのは、私たちの暮らしやすさを向上する役割があるからです。しかし、素材特有のデメリットも抑えて施工しなければ、外構空間が使いにくく感じてしまいます。建物全体の景観だけではなく、日々の暮らしを快適にするためにも、ブロック塀のメリット・デメリットを覚えておきましょう。

ブロック塀のメリット

ブロック塀で使用されるコンクリートは、耐久性が高く、ひび割れが起きにくい素材であるため、耐荷重が大きい車などが通過する道路や駐車場、橋などで使用されますが、一般住宅の外構工事やリフォームに適している素材です。

コンクリートと似た素材でアスファルトがありますが、コンクリートよりも耐久性が低いため寿命が短く、車の通行によりひび割れや凹みが生じやすいといった観点から外構リフォームにはコンクリートの方が適しています。

さらに、コンクリートの耐用年数は15〜20年といわれており、アスファルトや他の素材と比べるとランニングコストを抑えることができるため経済的です。ブロックの積載には、基礎の構築や鉄筋を組み付けながら積み上げていくため簡単に崩れません。暮らす人たちだけではなく近隣住民が通る場所に設置されるため、安全性の高いブロック塀が選ばれています。

 

ブロック塀のデメリット

耐久性に優れているコンクリートですが、いくつかデメリットもあるので、施工担当者と相談しながら外構リフォームを進めていく必要があります。コンクリートは熱を吸収する蓄熱効果があるほかにも、素材に使用される色は黒やグレーが多いため太陽に照らされると敷地内が明るくなる性質があります。これを照り返しといい、まぶしく感じてしまいやすいです。そのため、ブロック塀を高く積載しないことや、他の素材と組み合わせてコンクリートの範囲を狭くするといった作業が必要です。

外構リフォームでコンクリートを使用したブロック塀を施行する際には、専門的な知識や技術、重機が必要です。たとえば、耐久性の高いコンクリートを作るには素材の配合を計算しながら割合を決めなければいけません。さらに、コンクリートを流し込む前には土地を掘削し地面を整える作業や必要なブロック塀の数の計算、ひとつひとつのブロックを丁寧に積載していく作業であります。

ブロック塀は専門的な知識や技術を要するのはもちろん、日々の暮らしにも関わる空間に設置するため、理想の景観や性能の仕上がりを保つためにも安心して依頼ができる技術の高い業者を選ぶことが大切です。

 

ブロック塀の外構リフォームのパターン

ブロック塀を設置する際には、部分的に補修する方法と、すでにあるブロック塀を撤去し新しく設置する方法の2つのパターンがあります。

部分的に補修する際には、モルタルという素材を使用してヒビや欠けを修復していきますが、隙間にモルタルを入れる前に汚れを水で洗い落とす、あるいは、汚れをブラシで擦らないと上手く吸着せずに剥がれ落ちてしまうので事前の準備が大切です。

ヒビ割れが広範囲におよぶ場合には、コーキング剤と呼ばれる亀裂を修復する材料が必要です。コーキング剤は絞るだけでも力を要します。ブロック塀のヒビや欠けが大きい場合にはブロックごと取り替える必要がありますが、比較的修繕は短時間で終えることが可能です。

一方、既にあるブロック塀が老朽化により撤去して新しく設ける、もしくは建物のまわりに塀がない状態からブロック塀を設ける場合には、まず基礎工事が必要です。

建物の下にある土はやわらかいことが多いので掘削(くっさく)工事を行います。掘削工事とは、土砂や岩石を掘り、地面に穴を開ける作業のことを指し、強度の高いブロック塀を設置するには欠かせません。地中の工事を簡略化してしまうと、倒壊の危険性やブロック塀のヒビ割れを生じてしまいます。

土を取り除いた後は、地盤の強度を高めるために、重機で土に振動を与えて固める「転圧」作業をします。地盤の強度を高めた後は、ブロック塀を垂直に立てるための「基礎」を構築しますが、家やビルなどの建物にも必ず基礎があるように、外構リフォームでブロック塀を設置する際に行う作業です。

正しく基礎を構築した後はブロックを積載していきますが、この際にブロックの内部にモルタルと呼ばれる素材がきちんと充填されているかを確認しながら施工を進めていく必要があります。適切な施工が実施されていないとブロック塀が傾く可能性や倒壊する恐れがあるからです。このように外構リフォームでおこなうブロック塀の設置には、専門的な知識や技術を要することを抑えておきましょう。

 

劣化したブロック塀をそのままにしておく危険性

一般的な住宅で使用されるブロックの耐用年数は15〜20年といわれています。他の素材と比べると耐久性に優れていますが、雨風にあたる環境にある以上、劣化は進むため、カビの発生や剥がれ、ヒビ割れ、鉄筋の錆びといったことが生じます。

劣化した塀をそのままの状態にしておくと倒壊の危険性があるので、建築基準法施行令を満たした施行することが大切です。すでにブロック塀を設置していても、現在の建築基準法を満たしていない場合もあるため、地震で倒壊した際には避難路を確保ができない、通行人にケガを負わせてしまうといった状況も考えられます

万が一の事態を防ぐためにも、日ごろからヒビ割れがないかチェックをおこないましょう。危険かどうかの点検項目には以下の6つのチェックポイントがあります。目視で簡単に確認できる内容なので今一度確認し、心配であれば外構リフォーム業者に相談しましょう。

No. 点検項目内容
1 塀は高すぎないか(高さは地盤から2.2m以下か)
2 塀の厚さは十分か(厚さは10cm以上か)
3 控え壁はあるか(塀の高さが1.2mを超える場合に、塀の幅3.4m以下ごとに、高さの1/5以上の長さの控え壁があるか)
4 基礎があるか(コンクリートの基礎があるか)
5 塀は健全か(傾きやひび割れがないか)
6 ※専門家へ依頼項目
・塀に鉄筋はあるか(塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか)

・基礎の根入れ深さは30cm以上か。(塀の高さが1.2m超の場合)

引用:国土交通省ホームページ「建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について」より

 

外構リフォームでブロック塀を設置する際の注意点

ブロック塀は、外構リフォームするタイミングだけではなく、日常的に目にする機会が多い身近な素材です。安心安全な空間を作るためにも外構リフォームを業者に依頼するだけではなく、実際に暮らしをするお客様自身が気をつけなければいけない点が3つあります。

1つ目の注意点は、フェンスやブロック塀を追加し高くしすぎてしまうのは危険であることです。プライバシー保護や隣家とのトラブル防止のため、ブロック塀を高く設けたいと検討している方もいらっしゃると思いますが、地震や強風の影響を直に受けやすいといったデメリットがあります。

ブロック塀を高く設けてしまうと通常以上の耐荷重がブロックにかかってしまうことから、高すぎる積載やブロックの追加は推奨されていません。無理のない程度に少し高さを追加した場合には「基礎を追加しなければいけない」「塀の交換が必要」など工事の工数が多くなり、費用が上乗せになるため必ず業者に確認しておきましょう。

2つ目は、塀を高くしてしまうと泥棒が身を隠しやすい空間を作ってしまうことです。屋外からの視線の遮断や小さな子どもやペットの道路飛び出し防止に効果的であり、敷地外からも侵入しにくく防犯性能も高いといった利点がありますが、1度敷地内に入ると近隣住民が異変に気づきにくいデメリットがあります。

そのため、近年の家づくりや外構リフォームでは防犯性能を高める観点から低い塀を設ける傾向があります。万が一、高い塀を設けたい場合には、穴の空いたブロックを使用するとデザイン性と防犯性を兼ね備えた外構リフォームの実現が可能です。

3つ目は外構工事・リフォーム会社の手抜き工事により、安全性が保たれていないブロック塀を設置されてしまう可能性があることです。ブロックは耐久性が高いコンクリートで作られているため、本来であれば法律で定められた施工をおこなっていれば強度の高い塀になります。

しかし、コストを抑えるために材料を基準値が下回る量しか使用しなかった場合、劣化が早まるなどの障害が発生してしまいますので、施工実績数や確かな技術を要した業者を選びましょう。

 

ブロック塀のDIYリフォームを推奨しない理由

近年、モノづくりを楽しむ傾向が高まっていることから、ホームセンターなどで材料を購入し自分の手で家具や外構インテリアを手掛けるDIYが流行しています。ですが、ブロック塀のDIYは推奨できません。

庭の花壇などに低いブロック塀を設置する場合には、倒壊の危険性は高くありませんが、人の高さ程の塀を設置したい場合には基礎工事が必要不可欠です。基礎部分である地面の土をやわらかいまま使用すると、倒壊する危険性が高くなります。重機で土を掘り起こし、地面の強度を高めるといった転圧作業を行わなければなりません。

さらに、ブロック塀が垂直になるように鉄筋を埋め込む必要があります。この鉄筋が倒れないように、「地下のコンクリートとの厚み」「地下部分の鉄筋はブロック1本分埋まっている」「手金が基礎と一体化する」といった施工が欠かせません。

ブロック塀を積み重ねる際にも、モルタルと丁寧につなぎ合わせていく技術を要します。設置面積に合わせて必要なブロックを計算し運搬する必要があるので、時間も労力もかかってしまう職人作業なのです。

 

外構リフォームで意匠性溢れるブロック塀にするポイント

ブロック塀はほかの外構素材と比べると比較的安価な費用で取り揃えやすく、さまざまな形状やカラーバリエーションも豊富なため理想の外構空間に合わせてカスタマイズしやすいといったメリットがあります。このように意匠性溢れるブロック塀を活用しデザイン性の高い外構リフォームにするポイントは3つあります。

1つ目は、建物の外観デザインとブロック塀の色合い・素材をあわせることが大切で、おしゃれな空間に仕上げる外構リフォームの基本です。たとえば、建物がイングリッシュガーデンのように洋風なデザインであるのに対し、塀をブラックやグレーといったシックなカラーを選んでしまうと空間に調和が生まれません。

建物自体の色を変更することができないため、建物を考慮しながらブロック塀の形状や色合いを検討していくことが大切です。塀は近隣や地域の景観にも大きく関わっていることから、自宅の建物と近隣の景観に合わせた素材を選ぶといった点も併せて考慮していくことで、デザイン性の高い空間に仕上げることができます。

2つ目のポイントは、コンクリートにデザイン性を持たせる施工です。たとえば、コンクリートの打ちっぱなしの塀はモダンな雰囲気を演出できる人気の外構リフォームのひとつです。鉄筋コンクリートの下地がむき出しになったラフな質感は、ビンテージ空間に仕上げたい方におすすめで一気にトレンド感のある空間に仕上がります。

デザイン性のほかにも、コンクリートは「防音性」を備えている素材であることから、 庭で子どもが遊んだり、家族や知人とバーベキューを楽しんだりしたいときに、騒音で近隣を気にする必要がありません。さらに、耐火性にも長けていることから隣接する家で火事が発生しても「もらい家事」を防げるといったメリットがあります。都会などの住宅密集地の場合、近隣の火事を気にせず安心して暮らすことが可能です。

3つ目のポイントは、アルミフェンスや鉄といった異なる素材を用いて塀を設置する方法です。ブロックを高く積み上げてしまうと空間が閉鎖的になり狭く感じてしまいます。泥棒が侵入し身を隠しやすい空間を作ってしまうため高い塀の設置は推奨できません。しかし、屋外からの視線を遮断したい場合や、小さな子どもやペットがいる家庭であれば、安心安全な空間を作りたく高い塀を希望する方も多いでしょう。

その際に、低い部分にはブロックを設け、上に隙間のあるフェンスや木材を使用することで透過性のある塀を設置することが可能です。素材の質感や色合いで自由に空間を演出ができるため、安全性とデザイン性を兼ね備えた空間構築をしたい場合に向いています。

 

ブロック塀を撤去・設置する際の補助金活用

外構リフォームでブロック塀を解体・補修する際に、補助金を活用できるケースがあります。倒壊するリスクがあると判断されたブロック塀の解体や補修など、地域の自治体によって補助金や助成金が支給される基準は異なります。ブロック塀の撤去後に、新しい塀を設置する工事が含まれる場合もあるので、まずはお住まいの地域の制度や条例の詳細を確認してください。

基本的に、外構リフォーム着工前に申請をするものですが、申請期間にも規定があるので必ず条件などを必ずチェックしましょう。不明点等あれば外構リフォームを依頼する工事会社や自治体に相談してください。

 

まとめ

ブロック塀は形状やカラーバリエーションが豊富な素材でありながら、耐久性に優れているため外構リフォームに最適なエクステリアです。耐用年数もほかの素材と比較的長いといったメリットがありますが、地震や暴風で倒壊しないためにも、法律の基準を満たし正しく丁寧な施行プロセスで外構リフォームをおこなうことが大切です。当社は、ブロック塀やコンクリート施行を豊富におこなってきた実績がございますので、安心安全な外構空間づくりをサポートいたします。またデザイン性の高い空間作りも得意としておりますので、理想の空間を実現したい方はぜひご相談ください。

 

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