外構工事は住みながらでもできる?快適に進めるためのポイントを解説

新築住宅の完成後、次に待っているのが外構工事です。建物と同時に外構も仕上げるのがベストですが、予算や設計の都合で入居後に外構工事に着手するケースが増えています。住みながらの外構工事には、実際の生活動線に適した計画が立てられるのがメリットです。一方で、日常生活との両立にはちょっとした工夫が必要です。この記事では、住みながらの外構工事を快適に進めるためのポイントをわかりやすくご紹介します。

 

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外構工事を住みながら進めることが多い理由

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外構工事とは、住宅の外まわりを整えるための工事を指します。たとえば、駐車スペースやカーポート、玄関アプローチ、門扉、フェンス、庭、ウッドデッキ、物置などが外構工事の対象です。外構工事の対象は住まいの“顔”とも言える存在で、見た目の印象を左右するだけでなく、防犯性や快適な生活の動線づくり、プライバシーの確保といった点でも重要な役割を果たします。

本来であれば、建物と同時に外構工事まで完成しているのが理想的ですが、実際には住みながら外構工事を進めるケースも少なくありません。住みながら外構工事を進める理由は、大きく分けて3つあります。

 

まず1つ目の理由は、外構工事を住宅施工会社とは別の業者に依頼するケースが増えているためです。ハウスメーカーや工務店のなかには、建物の施工に専念し、外構工事は施主側で自由に手配してもらうこともあります。この場合、外構工事の打ち合わせや契約が後回しになり、結果的に入居後の着工となるケースが多い傾向です。

 

2つ目の理由は、建物が完成してからでないと外構工事の設計が難しい点です。地盤の高さや建物とのバランス、隣地との境界状況など、実際の状態を確認してからでないと、正確なプランが立てられない場合もあります。

 

3つ目の理由は、費用面の都合です。新築時はどうしても建物に予算が集中するため「とりあえず住める状態にすることを優先し、外構工事はあとから考えよう」となる家庭も少なくありません。

 

なお、外構工事は屋外で行われるため、室内の生活スペースに直接影響を与えにくい特徴があります。日中に仕事や学校で家を留守にしているご家庭なら、帰宅した頃には工事が一区切りついていることも多く、住みながらでも進めやすい施工といえます。

 

住みながら外構工事をするメリット

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住みながら行う外構工事には、いくつかのメリットがあります。まず挙げられるのが、実際の暮らしに合わせてプランを調整できることです。図面上では気づきにくい不便さや使いにくさも、日常生活のなかで浮き彫りになります。たとえば「道路からの視線が気になるのでフェンスの高さを見直したい」「洗濯物を干す場所に日よけと目隠しを設置したい」「子どもが安心して遊べるスペースを確保したい」など、住んでいるからこそわかる生活の動線や家族の行動パターンを踏まえて、必要な箇所から手を加えられるのは大きな利点です。

 

さらに、外構工事の進捗や仕上がりをリアルタイムで確認できる点も見逃せません。屋外での作業なので、日常生活のなかで自然と施工中の様子をチェックできます。たとえば「駐車場の傾斜が予想より急で車の出し入れがしづらい」「玄関前の段差が高くてつまずきそう」などの使い勝手の細かな違和感は、実際に生活してみて初めて気づくことが多いものです。

住みながら外構工事を進めることで、細やかな違和感をすぐに施工業者へフィードバックでき、最終的な仕上がりの満足度を高められます。また「イメージと違う方向に進んでいる」と感じた場合でも、早い段階で軌道修正が可能です。

 

加えて、実際の敷地環境を体感しながら計画を進められる点も、住みながら外構工事を行う魅力です。たとえば「雨の日にどこに水がたまりやすいか」「もっとも日当たりの良い場所はどこか」「風の通り道はどこか」など、暮らしてみないとわからない情報をもとに、排水計画や植栽の配置を調整できます。

こうした“現場感覚”を活かした計画は、図面だけでは得られない、実用性の高い外構づくりにつながるでしょう。住みながら外構工事を進めると、日々の気づきを反映しやすくなり、暮らしにフィットした快適な空間が自然と整っていきます。理想と現実のギャップを埋めながら、より自分たちらしい暮らしを形にできる点は、住みながら外構工事を行うメリットといえます。

 

住みながら外構工事を快適に進める5つのポイント

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住みながら外構工事をすると、思いがけずストレスを感じる場面が出る可能性があります。あらかじめ「どのようなことがストレスになりやすいのか」を知っておくと、外構工事の期間中も落ち着いて過ごせるでしょう。住みながらの外構工事を快適に過ごすために5つのポイントを押さえ、少しの工夫と対策で暮らしと工事の質を両立しましょう。

 

1.事前にスケジュールや工事内容を把握しておく

住みながら外構工事を行う場合、事前にスケジュールや工事内容を確認することが大切です。あらかじめ把握しておくと、生活への影響を軽減できます。たとえば、外構工事のおおよその期間に加え、解体・整地・基礎工事・舗装・植栽など、各工程にかかる時間もチェックしておきましょう。いつ・どの作業が行われるのかを知っておくと、騒音や工事車両の出入り、生活動線への影響をイメージしやすくなります。

 

また、使用する資材の種類や搬入経路、外構工事中に立ち入りが制限される場所も確認しておくと安心です。たとえば「この時間帯は砂埃が出やすいので外出を避ける」「この時間帯は玄関まわりに作業員がいる」といった具体的な情報がわかっていれば、外構工事中の家族の予定が立てやすくなります。

 

2.生活導線や出入りのルートを確保してもらう

住みながら外構工事を行う場合、日常生活に支障が出ないような生活動線や出入りルートの確保も重要です。普段通りに過ごすために、事前に施工業者と相談して安全でスムーズな動線を計画しておきましょう。たとえば、玄関アプローチの工事がある場合は仮設の通路を設けたり、駐車場の工事なら一部スペースを使えるようにしたりといった工夫が役立ちます。段取りを整えておけば不安や混乱を避けられます。

 

とくに、小さなお子さんやご高齢の方がいるご家庭では、安全への配慮が欠かせません。転倒やケガのリスクを減らすために、外構工事中も誰もが無理なく移動できるような動線の確保を意識しましょう。

 

3.騒音・ホコリへの対策を事前に相談する

外構工事では、どうしても騒音やホコリの発生が避けられません。だからこそ、外構工事が始まる前に施工業者としっかりと話し合い、快適に過ごせるよう配慮してもらうことが大切です。たとえば、騒音の出やすい作業は日中の限られた時間帯にまとめてもらう、防音・防塵シートを設置してもらうなどの対策も効果的です。

 

さらに、小さなお子さんの昼寝時間や在宅ワーク中の会議スケジュールなど、家庭の生活リズムに合わせた調整をお願いしておくと、外構工事の期間中も安心して日常を送れます。また、室内へのホコリの侵入を防ぐためには、窓の開閉や換気のタイミングもすり合わせておくと安心です。

 

4.子どもやペットが安心できる環境を整える

小さなお子さんやペットがいるご家庭では、外構工事中の安全対策も不可欠です。安心して過ごせる環境を整えると、思わぬ事故やストレスを防げます。まずは、工事エリアへの立ち入りを防ぐために、柵やコーンなどで区切ってもらいましょう。住みながらの工事では、工具や資材が子どもの手の届く場所に放置されないように、施工業者に注意を徹底してもらうことも必要です。

 

騒音や工事車両の出入りが子どもやペットにストレスを与える可能性もあるため、外構工事の時間帯を調整したり、室内に安心できる居場所を用意したりと、心身の負担をやわらげる工夫も大切です。安全面だけでなく、気持ちの面でも落ち着いて過ごせる環境を整えると、家族全員が安心して生活できるでしょう。

 

5.業者との効果的なコミュニケーション方法を確立する

外構工事をスムーズに進めるためには、施工業者との連携も欠かせません。外構工事中は、予想外の変更やトラブルが発生するケースもあるため、すぐに相談できる体制を整えておく必要があります。

まずは、連絡手段を事前に決めておきましょう。メールや電話など、お互いにとって使いやすい方法を選ぶと、ちょっとした確認や質問がしやすくなります。あわせて、定期的に進捗を共有する時間を設ければ、外構工事の状況を把握しやすくなり、安心感にもつながります。

 

住みながら外構工事をするときの注意点

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住みながら外構工事を行う場合、普段通りの生活を続けるなかで、思わぬ不便やストレスを感じることがありますが、あらかじめ想定される問題点を把握して対策することで、暮らしへの影響を軽減できます。

 

注意したいのが、駐車場の利用制限です。作業車両や資材の搬入が重なると、一時的に自宅の駐車場が使えなくなるケースもあります。あらかじめ外構工事のスケジュールを確認し、必要であれば近隣のコインパーキングを手配しておくと安心です。

 

住みながらの工事なら生活動線の変化にも配慮が必要です。普段は当たり前に行っているゴミ出しや荷物の受け取りも、外構工事中は通路がふさがれてしまい、スムーズにいかない場合があります。業者と相談し、ゴミの仮置き場所や宅配の受け渡し方法などを決めておくと、日常生活の混乱を避けられます。

 

また、騒音の問題も無視できません。外構工事はどうしても音が出る作業が多いため、住みながらの場合、在宅勤務中のオンライン会議や作業に影響が出る可能性があります。重要な予定がある日には、騒音の大きい作業を調整してもらうように、事前に業者へ伝えておきましょう。同様に、お子さんの昼寝や家族の帰宅時間など、生活リズムへの影響を抑えるためにも、可能な限り柔軟なスケジュール調整をお願いしましょう。

 

天候による影響も考慮しておくべきポイントです。外構工事は雨や風の影響を受けやすく、予定通りに工事が進まないことも珍しくありません。工期にはある程度の余裕を持たせておくと、イレギュラーな状況にも落ち着いて対応できます。

 

さらに忘れてはならないのが、ご近所への配慮です。騒音や作業車両の出入りによって、周囲の方に知らず知らず迷惑をかけてしまうケースもあります。また、住みながら工事を進める場合、近隣の方と顔を合わせる機会が増えるため「なんとなく気まずい」「少し居づらい」と感じることもあるかもしれません。

外構工事が始まる前、ひとこと挨拶をしておくだけでも印象は変わります。案内文を配る、直接説明するなどして、外構工事の内容や期間をあらかじめ伝えておけば、トラブルを防ぐとともに、お互いに気持ちよく過ごせる関係づくりにもつながります。

 

 

まとめ

住みながらの外構工事は、日常生活を続けながら理想の外構を形にできる魅力的な選択肢です。ただし、住みながらの外構工事中を快適に過ごすためには、あらかじめスケジュールを把握し、生活動線への影響を確認しておくことが大切です。たとえば、騒音対策や作業車の出入り、ゴミの処理方法など、日々の生活に関わる細かな部分について、事前に施工業者とすり合わせておきましょう。起こり得るトラブルを事前に想定して対策すれば、工事中のストレスを抑えつつ、満足度の高い外構工事が叶います。

 

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