もう迷わない!外構・エクステリアに使う石材の種類と選ぶコツ
外構に欠かせない素材のひとつが石材です。自然な風合いや高級感、優れた耐久性などの多彩な魅力を持ち、選び方次第で外構空間の印象を大きく変えられます。ただし、石材は種類や形状の選択肢が多く、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。この記事では、外構工事に用いられる代表的な石材の特徴や形状ごとの使い方をご紹介します。
石材を使った外構の魅力とは?
外構づくりに石材を取り入れると、住まい全体の印象が引き締まり、上質な雰囲気が生まれます。自然素材である石には、コンクリートやレンガにはない独特の風合いがあり、時間が経つほどに味わいが深まっていく点が特徴です。光の当たり方や天候によっても見え方が変わるため、季節の移ろいを感じられる素材としても魅力があります。
石材の種類は多彩で、それぞれに異なる表情があります。明るい色味でやわらかな印象を与えるものもあれば、ダークカラーで空間を引き締めるものもあり、選ぶ色や質感によって外構の雰囲気は大きく変わるのが魅力です。たとえば、ナチュラルな外構を演出したい場合には淡い色合いの石材がよく馴染み、スタイリッシュな外構を目指すなら直線的でシャープな質感の石材が向いています。
さらに、和の趣を活かした門まわりには、落ち着いた色調や自然な形状の石が合うでしょう。また、石材は見た目の美しさだけでなく、機能性の面でも優れています。耐久性が高く雨風や直射日光に強いため、長期間にわたり安定した品質を保ちます。歩道や駐車スペースなどの荷重がかかる場所でも安心して使用でき、見た目と実用性を兼ね備えた外構づくりが可能です。
デザインの自由度と実用性、どちらも兼ね備えているのが石材の魅力です。自分らしく外構を彩るための素材として石の種類に注目すると、理想の外観に一歩近づけます。
外構におすすめの代表的な石材4選
外構に取り入れる石材によって、空間の印象だけでなく使い勝手も変化します。素材ごとの色味や質感の違いを知ると、理想とする外構デザインに近づける選択がしやすくなるでしょう。重厚感・高級感・ナチュラルさなど、目的に合った魅力を持つ石材選びで、満足度の高い外構工事を叶えましょう。
花崗岩(かこうがん)|あらゆる場所で使いやすい万能型
花崗岩は、硬くて丈夫な性質を持つ石材で、外構に幅広く使われています。点々と黒いごまのような模様が入っているのが特徴です。耐久性・耐水性に優れており、歩道や階段、門柱、アプローチなど、あらゆる場所に使えます。色はグレー系が主流で、落ち着いた雰囲気を演出しやすく、どんな外構デザインにもなじみます。
また、表面の仕上げによって滑りにくく加工することも可能で、安全面でも安心です。コストパフォーマンスが良く、機能性と見た目を両立したい方に適した石材です。
大理石(だいりせき)|上品な光沢で高級感を演出
大理石は、美しい光沢と独特の模様が特徴の石材で、外構に高級感を持たせたい方にぴったりです。白やベージュを中心とした明るい色合いが多く、玄関アプローチや門まわりに取り入れることで、エレガントな印象を演出できます。ただし、比較的柔らかく傷がつきやすいため、使用場所やメンテナンスには注意が必要です。強く擦ることを避け、柔らかい布で優しく拭きましょう。
また、ワインやジュースなどの液体が付いたまま放置するとシミになってしまうため、こまめなお手入れが必要です。お手入れを重ねるうちに味わいが増す、魅力にあふれた石材なので、デザイン性を重んじた外構づくりにも適しており、ワンランク上の空間を演出したい方から支持されています。
粘板岩(ねんばんがん)|独特の模様で空間に動きをプラス
粘板岩は「スレート」とも呼ばれる石材で、波のように流れる筋模様が特徴です。薄い層が重なり合って形成されており、自然が生み出した独特の模様と色の変化が魅力です。グレーやブラック、グリーンなど落ち着いた色合いが多く、外構に取り入れると上品ななかにも個性が感じられます。表面が滑らかで、空間にシャープな印象を加えたいときにも効果的です。
大理石のような磨き加工を施さなくても、割れ肌の風合いを活かしてそのまま外構に使用できるため、モダンな雰囲気の演出にも向いています。デザイン性を重視する方にぴったりの選択肢です。
砂岩(さがん)|自然な風合いで植栽との相性も抜群
砂岩は、砂が固まってできた石で、やわらかい質感とあたたかみのある色合いが魅力です。ベージュや赤みを帯びた自然な色味が多く、植栽やウッド素材と調和しやすいため、ナチュラルな外構づくりに最適です。
表面には適度なざらつきがあり、足元に安心感をもたらします。吸水性が高くて滑りにくい性質から、アプローチや園路などによく使われますが、水まわりで使用する際は、防水処理を施すなどの対策が必要です。
デザインの幅が広がる石材の形状
外構の表情を豊かにするなら、石材の「形」に注目すると仕上がりに差がつきます。形状を変えるだけで、外構空間に動きやリズムが生まれ、施工場所の魅力を一層引き立てることが可能です。整然とした印象から自然な味わいまで、幅広いデザインを楽しめるのが石材の魅力です。
1.乱形石材(らんけいせきざい)|自然な形が味わいを生む
乱形石材は、自然に割れたままの不規則な形を活かした石材です。同じ形がひとつとしてないため、敷き詰めるだけで独特のリズムや風合いが生まれます。ナチュラルな印象を大切にしたい外構づくりにぴったりで、まるで自然のなかを歩いているかのようなぬくもりあふれる空間をつくり出せます。
植物との相性も良く、ガーデンデザインの自由度を高めてくれる形状です。
2.方形石材(ほうけいせきざい)|整った並びで統一感UP
方形石材は、四角くカットされた石材で、整った印象を与えたい外構デザインに向いています。規則的に並べると、洗練された印象を持つアプローチやテラスをつくることができ、モダンな建築や洋風の住宅とよく調和します。
施工がしやすく、目地を揃えるだけで美しい仕上がりになるのも特徴です。シンプルななかに品格があり、きちんと感のある外構を目指す方に合った石材です。
3.ピンコロ|小さな石でレトロな雰囲気に
ピンコロは、サイコロ状にカットされた小さな石材で、サイズはおおむね5〜10cm角です。かわいらしい見た目ながら重厚感と安定感をあわせ持ち、外構のアクセントとして人気を集めています。並べ方によって曲線も直線も表現できるため、実現できる外構デザインの幅が広がるのも魅力です。
石畳のようなレトロな雰囲気を演出できるうえ、洋風・和風問わずさまざまな外構スタイルにしっくりなじみます。
4.延石・縁石・見切り石|境界をさりげなく仕切る
延石や縁石、見切り石は、空間の境界を自然に区切るために使われる石材です。アプローチと植栽の間を仕切ったり、芝生との境界を明確にしたりと、外構のラインを整える役割を果たします。高さや幅、形状もさまざまで、デザイン性と機能性の両立が可能です。
シンプルな石を選べば空間に溶け込み、個性ある石を取り入れれば外構のアクセントとしても活躍します。控えめながらも全体の印象を引き締める、縁の下の力持ち的な存在です。
5.敷石・飛石|庭園にアクセントを加える
敷石や飛石は、主に人が歩くための足場として使われる石材です。庭園やアプローチに取り入れれば、外構空間にリズムや趣を加える役割も果たします。敷石は広い範囲に敷き詰めることで、歩きやすさと安定感を高めます。
一方、飛石はあえて間隔を空けて配置し、歩く動作そのものに風情をもたらすのが特徴です。もともとは和風庭園によく使われますが、自然石を選ぶと洋風の外構にもなじみやすくなります。
素材選びや配置を工夫すれば、道としての実用性だけでなく、見た目にもアクセントを添えられ、外構全体の印象を変えられます。
6.ロック・ゴロタ石|自然な立体感で景観に表情を
ロック・ゴロタ石は、直径10〜20㎝程度の石を指します。あえて不規則な形状や大きさのまま活かすことで、外構に自然な立体感と動きをもたらします。植栽の間に配置したり、水景のまわりに使ったりすると、まるで自然のなかにいるような景観づくりが可能です。
石の一つひとつが違う表情を持つため、無造作に見えて計算されたバランスが外構空間全体に深みと表情を与えてくれます。ナチュラルな雰囲気を好む方には、とくにおすすめしたい素材です。
7.砂利|音と見た目で足元を彩る
砂利は、小さな丸い石の集まりのことです。外構空間に視覚的な変化と聴覚的な心地よさをもたらす素材です。歩くたびに足元からシャリッと音が鳴り、防犯面にもさりげない効果があります。見た目には、色や大きさの違いで印象ががらりと変わり、単調になりがちな地面に豊かな表情を与えてくれます。
和風・洋風を問わず、植栽の根元やアプローチ脇などさまざまな場所で活躍し、メンテナンスもしやすい点が魅力です。仕上げ材として取り入れることで、外構空間のまとまり感やナチュラルな雰囲気を引き立ててくれます。
失敗しない石材選びのコツ
石材は、外構デザインに重厚感や個性を与える魅力的な素材です。しかし、選び方を間違えると「イメージと違った」「使いにくい」と後悔してしまうこともあります。失敗を防ぐためには、使用目的や設置場所、周囲との調和を考えて選ぶことが重要です。
まず意識したいのは「用途に合った素材選び」です。たとえば、車の重さがかかる駐車スペースには、硬度が高く耐久性に優れた花崗岩やピンコロ石が適しています。
一方、庭の通路やウッドデッキまわりなど、歩行が中心となる場所には、肌ざわりがやさしい砂岩や敷石が最適です。また、吸水性が高い石材を水回りに使用する場合は、防水加工を施すなどの事前の対策が欠かせません。
次にポイントとなるのが「色や質感のバランス」です。明るい色味の石材は外構空間を広く明るく見せる効果があり、反対にダークカラーは重厚で落ち着いた雰囲気を演出します。ただし、外壁や植栽との色合いや質感の相性を無視してしまうと、石材だけが浮いた印象になることもあるでしょう。施工前にはサンプルを取り寄せ、実際に日の当たる場所で色味を確認しておくと安心です。
さらに、天然石は一つひとつ模様や色に個性があり、一定のバラつきが出ることを理解する必要があります。統一感を重視する場合は、方形石材や加工された石を選ぶとよいでしょう。
最後に、石材は種類ごとに特性や弱点が異なるため、正しい施工方法が求められます。DIYでの施工も可能ですが、仕上がりや耐久性を考えるなら外構工事に精通した専門業者へ依頼するのが安心です。
初期費用はかかっても、長期的にはメンテナンスコストが抑えられるケースもあります。見た目だけで判断せず、機能性やメンテナンス性にも目を向けながら、自分たちの理想の外構デザインに合う石材を選びましょう。
吉村建設による石材を使った外構の事例紹介
こちらは、カフェを併設したフラワーショップの外構デザインです。素材の持つ魅力を引き出しながら、訪れる人が心地よさを感じられる空間づくりを意識しました。玄関アプローチには、木目調のスタンプコンクリートを採用。天然木のような温もりが、ショップ全体にやさしい雰囲気をもたらしています。
周囲には、小粒で落ち着いた色合いの灰色の砂利を敷き、木目模様を引き立てながら歩くたびに心地よい音を響かせます。防犯性にも配慮し、安心感のある導線を確保しました。さらに、排水性にも優れ、雨の日でも快適に通行できるよう工夫されています。
アプローチ脇にはピンクの花々を配置し、石材の無機質さに柔らかな彩りを添えることで、フラワーショップならではの華やかさを演出。素材選びから細かな設計まで丁寧に仕上げ、店舗の魅力を自然に引き立てる外構デザインとなっています。
なお、施工の全体像や細部の仕上がりについては、以下の記事でご紹介しています。さまざまな角度から撮影した写真とともに、あわせてご覧ください。
まとめ
石材は、外構に自然な彩りや上質さを加える頼もしい素材です。花崗岩や大理石などの定番に加え、石材は形や質感によって異なる表情を見せてくれます。目的や好みに合わせて、自分らしいデザインを選べるのも石材ならではの楽しみでしょう。見た目だけでなく使用場所やメンテナンス性まで考慮することが、後悔しない外構作りのポイントです。石材を使った外構デザインにご興味のある方は、吉村建設までお気軽にお問い合わせください。