スタンプコンクリートで誰もが憧れるおしゃれな駐車場に
駐車場の床材として、使いやすさや耐久性などを理由に土間コンクリートを選ぶケースが多く見られます。しかし、無機質なコンクリート床の駐車場は、ひび割れやタイヤの跡といった汚れが目立ちやすく、殺風景な印象を与えてしまうことも。駐車場は、ほんの少し工夫するだけで驚くほどおしゃれに生まれ変わります。この記事では、駐車場の印象を高めるスタンプコンクリートのメリット・デメリット、施工方法や費用についてご紹介します。
駐車場の舗装工事にはさまざまな選択肢がある
駐車場の見た目や使い勝手は、地面の仕上げ方ひとつで印象が大きく変わります。例えば、コンクリートなら無機質でスッキリとした印象に、人工芝を取り入れればナチュラルで柔らかい雰囲気に仕上がります。理想の駐車場を実現するには、まずそれぞれの特徴を知っておくことが大切です。
砂利舗装|コストを抑えつつ防犯面を強化できる
砂利舗装は、駐車場の舗装工事の中でもコストを抑えられる点が特徴です。一度掘り起こした地面を転圧し、その上から砂利を敷いて再び転圧するだけで施工が完了するため、工期も短くなる傾向があります。
また、砂利を踏むと音が鳴るため不審者の侵入に気づきやすく、防犯対策としても一定の効果が期待できます。住宅周りや人目が届きにくい場所に砂利を設置すると、防犯対策をより強化できるのもメリットです。砂利の種類もバリエーションが豊富なため、住宅の雰囲気や外構デザインに合わせて選べます。コンクリートやアスファルトなどの他素材と組み合わせて舗装すれば、よりデザイン性の高い駐車場が完成します。
ただし、車の移動や重みで砂利が沈んだり、散らばったりするときがあるので注意が必要です。飛んだ石が車に当たると、車のボディに傷がついてしまう可能性があります。また、土の上に砂利を敷く舗装方法のため、定期的な草取りやメンテナンスが必要です。
アスファルト舗装|短時間で施工が完了する
アスファルト舗装は、施工期間が比較的短くスピーディーに仕上がる点が特徴です。早ければ一日で工事が完了するため、すぐに車を乗り入れたい場合に対応しやすく、忙しい家庭や業務用の駐車場に適しています。
アスファルト舗装は柔軟性があるため、多少の衝撃にも対応しやすいのも特徴です。表面がザラザラしていて滑りにくく、汚れが目立たない傾向があります。コストも抑えられるため、費用を重視する方にも最適です。
ただし、アスファルト舗装はコンクリート舗装に比べて表面の耐久性が劣るため、車の出入りが多い場所では早いスピードで劣化が進む可能性があります。夏は高温でタイヤ痕が付く場合もあるため、デザイン性や耐久性を重視する方にはあまりおすすめできません。
インターロッキング舗装|おしゃれに仕上がる
インターロッキング舗装とは、コンクリートのブロックを隙間なく敷き詰めて仕上げる舗装方法です。色や形の組み合わせによって見え方が変わり、シンプルな並べ方から曲線を活かしたパターンまで、デザインのバリエーションが豊富にあります。
インターロッキング舗装は多くのブロックを使用する分、車の重みによるひび割れが発生しにくいのもメリットです。駐車場全面に取り入れると一気におしゃれになり、部分的に取り入れれば個性的な印象になります。
しかし、ブロックを一つ一つ手作業で敷き詰める作業が発生するため、工期が長くコストが高くなりがちです。雑草の手入れや再塗装などが必要になる場合があるため、機能性よりもデザイン性を重視する方に適しています。
人工芝舗装|ナチュラルな雰囲気に仕上がる
人工芝舗装は、緑のある空間を手軽に再現できる舗装方法です。天然芝に比べて手入れの手間がかからず、季節を問わず青々とした雰囲気を維持できます。コンクリートやアスファルトは見た目がスタイリッシュになりがちですが、人工芝はナチュラルで自然な雰囲気を演出できるため、敷地全体が温かな印象になるのが特徴です。
「そこまで固い雰囲気は出したくないけれど、本物の芝だと手入れが大変」と悩んでいる方にも適しています。また、一般的に緑色の人工芝が多く採用されますが、中には土のようなベージュのタイプもあります。住宅の雰囲気や好みに合わせて選べるのも、人工芝を選ぶメリットの一つです。
ただし、人工芝は耐久性が低いため、グレードによっては二年未満で劣化する場合があります。定期的に張り替えが必要になるため、メンテナンスコストが膨らみやすい点にも注意が必要です。
また、人工芝は水分を吸収しない分、雨天時は滑りやすい傾向があります。人工芝の下に排水性の高い砂利や砕石を敷くなど、下地に工夫を加えることで水はけを改善しやすくなります。
コンクリート舗装|耐久性に優れている
コンクリート舗装は耐久性に優れており、長期にわたって美しい見た目を維持できる舗装方法です。砂・水・セメントを混ぜ合わせたコンクリートを流し込み、一週間程度乾燥させることで完成します。
硬化後は表面が頑丈なため、車の出入りが多い場所でも劣化しにくく、補修の頻度を減らせる点が大きなメリットです。補修の頻度だけでなく、コンクリートは表面が平らで水たまりができにくいため、メンテナンスや掃除の手間がかかりにくい傾向があります。デザインのバリエーションも豊富なため、好みに合わせて色味や雰囲気を変更可能です。
一方でコンクリート舗装は、アスファルト舗装に比べてコストがかかります。工期も長くなるため、コスト重視でスピーディーな施工を求める方には適してない可能性があります。
ただし、コンクリート舗装は一時的な出費は大きくても、耐久性が高くメンテナンスの頻度が少ないことから、長期的に見ればトータルコストを抑えられるでしょう。初期投資だけでなく将来の維持費まで考慮して舗装の種類を選びたい方にとっては、十分検討する価値のあるでしょう。
スタンプコンクリート|デザイン性・耐久性を兼ね備えている
スタンプコンクリートは、コンクリートにスタンプの型を押し当てて模様を付ける施工方法です。業者によってデザインは異なりますが、石畳や木目、レンガ、枕木など、多種多様な素材を再現できます。本物のタイルやレンガなどの素材を使用するとコストがかかりますが、スタンプコンクリートなら型を押し当てて仕上げる施工のため、コストを抑えられます。スタンプコンクリートは、見た目にこだわりつつ施工費用を抑えたい方におすすめの舗装方法です。
コンクリート舗装では見た目が無機質になりがちですが、スタンプコンクリートはデザインのバリエーションが豊富なため、おしゃれな駐車場を実現しやすくなります。水で洗い流すだけで汚れを除去できるのも魅力で、メンテナンスの頻度や手間を減らせるのも嬉しいポイントです。
ただし、施工には高度な技術が求められるため、スタンプコンクリートの施工実績や経験が豊富な業者に依頼しましょう。施工実績や経験があまりない業者に依頼すると、仕上がりが悪くなる可能性があります。ホームページをチェックしたり見積もり時に確認したりするなどして、信頼できる業者に施工を依頼しましょう。
このように、駐車場の舗装方法にはさまざまな選択肢がありますが、耐久性とデザイン性をどちらも重視するなら、スタンプコンクリートが良いでしょう。
駐車場をおしゃれに魅せるスタンプコンクリートの施工方法
スタンプコンクリートは、東京ディズニーリゾートやUSJといったテーマパーク、ショッピングセンターなどで使用され、天然石やタイル・岩肌・木目といった自然素材をリアルに表現できるデザイン性と耐久性に優れた工法です。通常のコンクリートで仕上げる床とどのように違うのか、施工方法を詳しくご紹介するので押さえておきましょう。
コンクリート打設
駐車場に生コンクリートを打設し、床面のレベルや勾配などに配慮しながら表面が平になるように鏝やトンボで均します。ここまでは、通常の土間コンクリートの駐車場と同様の進め方です。
カラーハードナー散布
打設した生コンクリートの表面水が落ち着いたら、色を付けるためのカラーハードナーをまんべんなく散布します。施工面全体が均一になるように散布した後、鏝やトンボなどで下地のコンクリートに馴染むように表面を均していきます。色の具合を見ながら薄い部分には、2回目のカラーハードナーを散布して、もう1度鏝で表面を均します。
スタンプで型押し
コンクリートがある程度硬化したら、石目や木目模様が施されたスタンプ(ゴムマット)をコンクリート表面に押して模様を付けていきます。スタンプを押すタイミングや押し具合で仕上がりの雰囲気が変わるため、大事な工程です。
模様のデザインは、例えば駐車場の入口部分は大きな石の乱張り風、奥は小さめな模様の石畳み風というように、いくつか組み合わせてオリジナリティを高めることもできます。
リリースオイルカラー散布
型押しした施工面にリリースオイルカラーを散布します。スタンプで押した目地や模様の凹みに色を重ねることで自然な濃淡が付き、見た目をより立体的でリアルに見せる効果があります。
養生と洗浄・補修
コンクリートがしっかり固まったら手作業でバリを取り、デッキブラシで余分なリリースオイルカラーを7〜8割程度洗い流します。色や目地の継ぎ目など仕上がり具合を確認し、必要に応じて微調整や補修を行います。
仕上げ材散布
ブロワーなどで余分な水分を飛ばし、コンクリートの表面が乾いている状態を確認できたら、保護するための仕上げ材を散布して耐久性を向上させます。乾燥させて硬化したらおしゃれな駐車場の完成です!
このように、石張りやタイルといった本物の素材を使わずにコンクリートそのものを加工することで、リアルな風合いのある駐車場をつくり上げていきます。
駐車場をスタンプコンクリートにする5つのメリット
スタンプコンクリートには、ほか素材や工法にはない5つのメリットがあります。
デザイン性の高い駐車場を実現
まるで自然素材のような質感や色合いを再現した、デザイン性の高い駐車場をつくれます。ヨーロッパのような石畳みや、ぬくもりのあるレンガ敷き、味わいのある枕木など模様の種類が豊富にあり、色調節も可能。豊富なカラーバリエーションと模様の組み合わせ次第でデザインの幅は無限に広がります。
上質で、自分の感性に合うオリジナリティの高い駐車場スペースを実現してくれる、唯一無二の工法と言えるでしょう。
滑らかな歩き心地
天然石張りやレンガのように、段差で足元ががたついたり、経年による隙間が生じたりするようなことはありません。本物と見間違えるようにリアルな模様や色が付けられていますが、歩き心地はとても滑らか。雨の日にぬかるむようなこともなく、小さなお子さまや車椅子の方でも安心してお使いいただけます。
通常のコンクリートよりも汚れが目立ちにくい
表面にコーティングを施しているため汚れが付きにくく、綺麗な状態を保てます。一方、駐車場で多く使用される土間コンクリートは、使用していると細かいひび割れや水垢、タイヤの跡が目立ち、時間が経つほどに汚く見えてしまいます。
耐久性に優れメンテナンスの手間が少ない
天然素材ではないため、石や木でつくられた駐車場のように目地から雑草が生えてくることはありません。また、汚れが付着しても水洗いで落とせるうえに、ひび割れが起こりにくく、通常のコンクリートの2〜3倍もの耐久性があります。強度が高く丈夫でメンテナンスもほとんど必要ないため、駐車場には最適と言えるでしょう。
工事期間が短く、コストを大幅に抑えられる
コンクリートを流してからスタンプ処理するまでを一気に仕上げるため、短い工期で駐車場のリニューアルが完成。天候に左右されて工期が長引くリスクも回避できます。
また、見た目は本物の天然材のようでありながら実際はコンクリートを使用しているため、材料面でも大幅なコストダウンが可能です。外構に予算がかけられないけれど、おしゃれな駐車場にしたいという場合でも、安心して採用できる方法なのです。
一方、駐車場を自然石やレンガ敷きにする場合は材料費だけでも高額になります。しかも、1枚ずつ微調整しながら張っていくため時間がかり、工期が長くなる分人件費もかかってしまいます。
駐車場をスタンプコンクリートにするデメリット
いくつかデメリットはありますが、定期的なメンテナンスを行うことや工事業者の選び方によってマイナス面を回避できます。
表面のコーティングやカラーが剝れる
コンクリート自体の耐久性は優れていますが、使用しているうちに表面のコーティングやカラーは剝れてきます。しかし、駐車場の状態に応じてメンテナンスできるので、時間が経過しても美しさを保てます。
業者の腕によって仕上がりが大きく変わる
現場で色付けやスタンプを押して施工していくため、同じ型を使って作業しても業者によっては仕上がりに大きな差が出ます。
スタンプコンクリートは海外から入ってきた技術で国内ではまだあまり広まっておらず、知識や経験豊富な業者が少ないからです。万が一技術の低い業者に依頼した場合、規定通りの材料や数量を守らなかったり、作業工程を間違えたりする可能性もあります。そのような場合は、仕上がりの状態が悪くなり、劣化を早めることになるでしょう。
満足のいく駐車場をつくるためには、技術やデザイン性に優れた業者に依頼することが大切です。施工を依頼する際は、必ずホームページなどで施工会社の実績や過去の実例を確認し、見つからない場合は直接連絡して過去の施工写真などを見せてもらいましょう。
駐車場のスタンプコンクリートの費用感
一般的に、駐車場の施工費用は面積が広くなるほど単価が下がる傾向がありますが、おおよそ14,000円〜16,000円/㎡ほど見ておきましょう。このスタンプコンクリートの施工費用に、駐車場の土の削り取りや残土処理、下地工事、諸経費などを加えた金額が駐車場にかかる総額の施工費用となります。10㎡当たりで計算すると、総額はおおよそ18万〜22万円です。
ただし、お住まいの地域によって生コンクリートの価格は大きく変わり、複雑なカラーリングが必要な場合や敷地の形状によっては追加費用がかかる場合があります。心配な場合は、事前に業者に問い合わせてみるとよいでしょう。
駐車場の施工事例をご紹介
当社は、これまでに数多くの駐車場の施工実績があります。実際の事例を写真つきで解説していますので、理想の駐車場づくりのために、ぜひ参考にしてください。
店舗前の清潔感がアップ
整骨院の駐車場の施工事例です。ホワイトで清潔感を与え、天然石風のランダムストーンで柔らかい印象を演出しました。店舗前の駐車場は無機質なものになりがちですが、少しこだわるだけでもデザイン性の高い空間を演出できます。
店舗の就社スペースが広い場合は、明るい色のスタンプコンクリートを選ぶことで、大きく印象を変えることも可能です。
シンプルな土間コンクリート
シンプルな土間コンクリートの駐車場を施工しました。ただ土間コンクリートを施工するだけでなく、等間隔で目地を入れることで、ひび割れを防止しています。さらに白玉砂利を敷くことで、シンプルな印象はそのままに、明るくおしゃれな雰囲気に仕上げました。
土のままの駐車場よりも、車や靴が泥で汚れる心配がなく、草抜きなどの手間がかかりません。
スタンプコンクリートで工事期間を短縮
スタンプコンクリートは、土間コンクリートを壊すことなく施工できます。土間コンクリートはタイヤ跡が残りやすく、長年使い続けていると気になってしまうことが多いです。コンクリートをすべて壊して再び工事をすると、工期も費用もかかってしまいますが、スタンプコンクリートならそのまま施工できます。
工期を短く費用も抑えられるため、コスパのいい工事ができます。スタンプコンクリートは色や柄に豊富なバリエーションがあり、駐車場の雰囲気をがらりと変えたいときにも最適です。
シンプルで開放的な駐車場
シンプルなオープンガーデンに、さわやかな土間コンクリートの駐車場が映える施工事例です。アプローチ部分の洗い出しコンクリートや、駐車スペースとの境目のピンコロがアクセントとなり、シンプルながらデザイン性の高い仕上がりになりました。
ただシンプルなだけではつまらない、デザイン性が高すぎる外構は住宅に合わないとお悩みの方に最適です。
住宅全体が明るい印象に
土だった駐車場にスタンプコンクリートを施工することで、すっきりと明るい印象に仕上げました。さわやかな白のスタンプコンクリートは、外構だけでなく住宅全体も明るい印象にしてくれます。スタンプコンクリートなら、天然石や木材など複数の素材を組み合わせたようなデザインを再現できます。
こちらの施工事例では、駐車場部分に天然石風のスタンプコンクリートを使用し、アプローチ部分にアクセントとしてヴィンテージウッド風のスタンプコンクリートを取り入れました。コンパクトな外構もおしゃれに仕上げられます。
まとめ
外構の見栄えをよくすると、家全体の雰囲気が高まります。つまり、駐車場のイメージを変えるだけで家の外観をグレードアップできるということです。吉村建設はスタンプコンクリートの施工実績が多く、駐車場をはじめとした数多くの外構工事を手掛けている会社です。メイドインジャパンの材料にこだわり、デザイン面においても力を入れています。これから駐車場をつくる方、おしゃれで完成度の高い駐車場をつくりたいとお考えの際は、まずはお気軽にご相談ください。