あなたは何を重視する?外構選びと伝え方のポイント
家づくりは住みよい暮らしに欠かせないもの。家の外構は暮らしを豊かに彩る大切な役割を持っています。
外構は何を重視するかによって必要となる外構工事は大きく異なります。
「こんな外構にしたらおしゃれかな?」「こういうのがあったら良いな」など漠然としたイメージだと、いざ外構工事を依頼する際に自分の要望をどのように家族や外構工事会社に伝えたら良いのかわからなくなってしまう人が多いようです。
この記事では、どのように外構を選んだら良いのか、そしてどのように相手に伝えたら良いのか、外構選びと伝え方のポイントについて解説します。
外構工事に期待していることを整理しよう
まず1番最初考えていただきたいのが、「自分は外構工事に何を期待しているのか」ということです。
外構工事には「家で暮らす人を守る」「家をおしゃれに彩る」「生活をより快適にする」などといった目的があげられます。
しかし実際のところ、これらをすべて取り入れようとすると、要望をまとめることが難しいため、優先順位を決めないといけません。
例えば、人目が気になる性格なので、外から見えないような保護率の高いものを希望。せっかく大きな窓があるのだから、外の景色を見たいとしましょう。
海外の田舎町の風景に溶け込んだような草花に囲まれた華やかな家に憧れているから、華やかなものにしたい。門も欲しいけど、門は開け閉めをしなくてはならず手間かも…。
完全に外から見えないようにプライバシー保護率は高めにしたい!でも華やかでおしゃれにして、かつ目立たないもので…。だけど費用は安く抑えたい。
それから…。
このように、すべての要望を同レベルで求めてしまうと、外構選びがまとまらなくなってしまう原因になります。
そこで、あなたが外構に対して、何を1番期待しているのか、求めているのか、重要にしているポイントは何なのかといった、優先順位を決める必要があります。
外構選びにおける4つのポイント
外構選びで大切なのは、ポイントをおさえながら、優先順位を決めることです。
先ほどの例の様に、○○したいという気持ちを優先してしまうと、外構工事会社に上手く希望が伝わらず、時間だけが過ぎていってしまいます。
そうならないために、いくつか抑えておくべきポイントがあるので押さえておきましょう。
ポイント1:プライバシー
外構工事では、プライバシーをどこまで考えるのかが重要です。
プライバシーの保護レベルも段階があり、完全に外部からシャットダウンしたい人もいれば、そこまで神経質にならなくても平気な人もいます。
ここでのポイントは人それぞれ求めるプライバシー保護レベルが異なるということです。あなたがほんの少しの視線でも、気になるような性格であれば、プライバシー保護率が高いデザインの外構工事をするのが好ましいでしょう。
しかし、パートナーがあなたほどでなければ、当然求める外構デザインは異なります。プライバシーを考える際、プライバシー保護の程度がどこまでなのかを決める必要があります。
日頃から人目を感じやすく必要以上に周囲の目を気にしてしまう人や、外部からの注目でストレスを感じやすい人は、プライバシー保護を重視し、外部からのストレスに備えた外構を選びましょう。
○おすすめの外構
クローズドガーデン、セミクローズドガーデン
ポイント2:デザイン性
とにかくおしゃれが大好きな人は、外構デザインにこだわるのが◎。
普段のファッションは、どのようなタイプが好みなのか考えてみましょう。モダンタイプ、フェミニンタイプ、生活感のないシンプルなもの、好みのブランドやデザインなどをベースに考えると外構のデザインも決めやすくなります。
しかし注意したいのはパートナーと好みが大きく異なる場合です。
この場合は、双方の好みに支障がないシンプルなカラーや外構デザインでまとめ、舗装だけは自分の希望、塀だけはパートナーの希望といった、ポイントごとに決めると良いでしょう。
普段からおしゃれが好きな人やインテリアや持ち物にもこだわりがある人、目立つデザインが好きな人は、納得いくデザインを選ぶことで、外構工事の満足度も上がります。
○おすすめ外構
イングリッシュガーデン
ポイント3:生活機能性
実生活を想定した生活動線や生活パターン、癖、性格などを見極める必要があります。
例えば、駐車するとき右に寄る癖があり、右側に柵や花壇があると傷つける恐れがある場合は、右側の空間を意識した外構デザインにすると利便性が高くなるでしょう。
人の生活の癖というのは誰しもあることなので、この機会に考えると快適な外構工事が見えてきます。
面倒くさがり屋なので、自分で開閉するよりリモコンを使った自動開閉のシャッターを入れた方が生活は快適になるなど、必要な外構工事がイメージができると暮らしのストレスを軽減できます。
生活ルーティーンが決まっている人や自分の行動を妨げるものがあるとストレスを感じやすい人などは、生活動線を意識して外構デザインを選ぶと納得した外構工事ができるでしょう。
○おすすめ外構
全タイプ
ポイント4:コスト
外構選びで1番気になるのはコスト面という人は多いと思います。
しかし、費用だけで決めると失敗してしまうことも…。
例えば、セール品が安いからと飛びついて購入したものの、着なかった服や履けなかった靴、出番のないアクセサリーはありませんか?
それは、結果的にコストのかかる買い物になっているかもしれません。外構工事も費用だけで決めず、プロの意見に耳を傾ける必要があります。
費用が高いからと敷地境界線を作らなかったばかりに、隣家とのトラブルでストレスを抱え、ストレス発散のために散財していたら外構工事の意味がありません。
このようなときは、外構工事のプロに解決策はどのようなものがあるか相談すると、コストを抑えながら理想の外構工事につなげられます。
○おすすめ外構
ミドルガーデン
外構選びは施工例をたくさん見よう
4つのポイントがわかったところで、次はホームページや資料を見てイメージを膨らませましょう。
気に入った外構デザインがあったら、リストアップするのも良いでしょう。
まず、外構選びのポイントは意識しないで、好き・嫌いといった好みを探っていきます。
選択肢は多い方が良いので、さまざまな角度から資料を集めることが大切です。
リストアップの作業は1番楽しい時間かと思います。
「こんな外構デザインにしたいね」「このスタンプアートかわいいね」
そんな家族の会話は、住みよい暮らしの家を一緒にイメージして作り上げる大切な時間です。
具体的な生活イメージが膨らんでいくので、コミュニケーションの時間も増え、パートナーとの仲もより深くなっていくでしょう。
今まで見えなかった相手の好みが見えてくるきっかけになるかもしれませんね♪
外構工事の優先順位を明確にする
ここまで楽しく外構選びが進んだら次は仕分けの作業です。
先ほど挙げた外構選び4つのポイントの優先順位を決めましょう。パートナーそれぞれで優先順位を決めてください。
優先順位をいきなりまとめようとすると、膨らんだ楽しいイメージが反発しあってしまいます。
だから「私はこの順位だけど、あなたはどう?」と聞くのが喧嘩をしない聞き方のコツ。
互いの意見を出し合える環境を作ってあげるのがポイントです。
その優先順位はちょっと…と思っても、お互いに譲り合う気持ちを持つことが上手くいく秘訣。
ずっと一緒に暮らす家なので、自分の要望が反映されていない家は居心地が悪くなってしまいます。
相手の優先順位は、外構工事に求めていることであり、これから暮らしていく家への強い希望です。
その夢を壊さないためにも、お互いの優先順位を明確にし、意見を知り譲渡しあう必要があります。
意見が分かれた場合は双方の優先度1位を選ぶ
外構工事の優先順位が、パートナーと完全に一致する人は少ないでしょう。
ここでお互いの外構工事の優先度1位に注目してみましょう。双方の1位に焦点を絞ることで、パートナーの意見をまとめやすくなります。
外構工事はパートナー同士、優先順位1位の2点を基準にして、リストアップした必要外構工事・デザインを選ぶのがベストです。
例えば、自分がプライバシー、相手がコストだった場合。プライバシー保護が保たれる外構工事・デザインを優先して選び、そのなかで納得いくコストを選択すれば互いの要望が反映されます。
リストアップして膨らんだ理想の外構デザインを、その観点から見てみると、外構工事会社にも相談しやすく、プロ目線の意見にも耳を傾けやすくなります。
はずしてはいけないポイントをおさえながら、外構工事を決めることが出来るので試してみてくださいね。
理想の外構の伝え方ポイント
お互いの外構工事に求めていることがわかったところで、外構工事会社にどのように伝えたら良いのか…。
実際を想定した会話例をご紹介しますので参考にしてみてくださいね。
プライバシー重視の伝え方
プライバシーを重視したい方は、家を安心・安全な場所にしたいと考えています。
そのため外構工事をしたことにより、プライバシーが損なわれることがあってはいけません。
外構工事でおしゃれを追及してしまうと、そのデザイン性からプライバシー効果が弱くなってしまう恐れがあるので注意が必要です。
そのため「おしゃれに見えるように」「おしゃれな感じにしたい」と伝えてしまうと、デザイン性の高い外構を提案され、悩んでしまう可能性があります。
この場合、以下のように伝えましょう。
「ずっと住む家なので、安心・安全に過ごしたいです。妻は人目を気にする性格なので、近隣住人の視線が気にならない柵や塀にしてほしいです」
「最近誘拐や事故のニュースが多く、子どもがまだ幼いのでトラブルに巻き込まれないか心配しています。プライバシー保護が保たれる外構工事を希望しています」
ポイントは、誰が・どうしてプライバシー保護を重視したいと思っているのかという理由です。
「主人が人目を気にしてストレスをためやすい人だから」「妻は休みの日はメイクをしないので、子どもと遊んでいる姿をご近所に見られると恥ずかしいから」など、明確にして伝えるとその必要性が良く伝わります。
○ポイントキーワード
主人が(妻が)~だから
デザイン重視の伝え方
デザイン重視の方で希望デザイン・スタイルが明確なのであれば、「カントリー調にしたい」「イギリスの田舎風景にあるような家にしたい」と伝えられますが、気になるデザインが多いとなかなか難しいものですよね。
そんなときは以下のように伝えてみましょう。
「普段、妻は派手めなブランド・デザインを好みますが、自分はとくにこだわらない性格です。ただ、清潔感のあるものは好きで、妻とその点は共通の考え方です。だから清潔感が感じられて、華やかな印象になるような外構工事スタイルはどんなものが良いですか?」
「海外旅行が好きで、海外の街並みもおしゃれで好きです。特に海が好きなので、明るい印象になるようにしたいです。」
このような伝え方をすると「では花壇を取り入れて、華やかさを演出しませんか?」「スタンプアートを使って石畳を表現したらイメージに近づきますね」と、具体的なアドバイスが聞けるので、必要外構工事のポイントを再確認しながら、決めることができます。
○ポイントキーワード
○○のようなデザインが××の理由で好きだから
○○のような家に主人が(妻が)憧れている(希望している)から
機能性重視の伝え方
機能性重視は生活のルーティーンや行動パターンで異なるので、難しく感じるしれません。
しかし、普段の生活を振り返ってみると「荷物を抱えて子どもの手を引いてドアを開けるの大変」「駐車するとき、いつも白線オーバーして、真っ直ぐ駐車できない」など、気付くことが多くあるはずです。
そんな生活パターンを考慮して決めたい人には、以下のように伝えてみましょう。
「主人と私の身長差があるので、主人は平気でも自分はこの高さだと見えない・届かないといったことたくさんあります。ソファーに座っていても座高も違うので、見え方も違うんです。こういった場合外構工事でどんなことに気を付けたら良いですか?」
「子どもが2人います。上の子はすぐ興味のあるものに向かって走り出してしまいます。下の子がいるのですぐに走れないので、何度もひやひやしたことがあります。下の子は外を見るのが好きなので、見えないと泣き出してやんちゃをします。外構工事はどんなものが良いですか?」
このような場合「ではこんな塀や柵はいかがですか?」「お子さまが興味のあるものへ走ってしまうのならば、あえてポイントとなる木やモニュメント、デザインのものを、止まって待っててほしいところに作って、興味を引くのはどうですか?」といった具合に提案があり、自分では気づかなかった必要外構工事が見えてくるようになります。
○ポイントキーワード
〇〇の理由で××だから(心配だから)困っている
コスト重視の伝え方
費用が気になる人は、出来るだけ安く済ませたいのが本音です。
良い物・必要だと頭では理解していても、多くの費用を払うことにどうしても不安がよぎってしまいます。
そのため、不安を取り除いてくれる説明が必要で、納得できる理由がないとなかなか決められません。
本当はこうしたいのだけれども、不安から我慢をしてしまっていることが多いので、本音が言いづらくなってしまっているかもしれません。
そんな方は、以下のように伝えてみましょう。
「塀や庭があって、ウッドデッキもついているようなおしゃれな家に住みたいです。でも、毎月子どもの出費が多く余裕がないので、コストを抑えたいです。」
「妻はガーデニングが好きなのでイギリスの田舎風景のような家に住みたがっています。でも、収入が少ないので、外構工事に予算をあまりかけられません。コストをかけずに外国のようなおしゃれな家にすることは可能でしょうか?」
ここで大事なのは、こうしたいという要望を伝えつつ、経済現状を伝えることがポイント。
優先順位で1位だった一方の要望をまず伝え、でもお金がかけられないという悩みを伝えましょう。そのなかで、ベストな提案を外構工事のプロはするので安心してください。
もしコストが2人とも最優先事項であれば、2番目の優先はそれぞれ何だったのか見ると、本音が見えてくるかもしれません。コスト重視の方の失敗しないポイントは、目先の費用だけで考えないことです。
○ポイントキーワード
○○にしたいが、現実は××なので予算が組めないからコストをおさえたい
外構選びは互いを知る良いきっかけになる
外構選びでパートナーが何を重視するタイプか知ることで、お互いを知るきっかけとなります。
今まで我慢させていたのかもしれないと気づくこともあるでしょう。また、そんなことを心配していたんだなと、改めて家族に対しての想いを確認できるので外構選びは大切です。
思いやりの心につなげて、長く住める家づくりを考える時間と言えるでしょう。
家本体を建てるときは互いの意見を出し合い、言葉に耳を傾けますが、外構工事になると相手に任せてしまって、後から意見を言うパートナーも少なくありません。
家本体と外構工事はセットです。どちらか一方だけを重要視すれば成立するものではありません。家の間取りや内装は理想通りの仕上がりなのに、外構工事が中途半端で、魅力が半減したらもったいないですよね。
外構工事は家本体の質を上げるものでもあります。お互いを知れば知るほど、満足度が2倍にも3倍にもなるのではないでしょうか。
ポイントを抑えれば外構選びは難しくない
外構選びは、家本体と違ってオプション的な要因で見られがちです。しかし、外構工事を考え出すと、意外と求めていることが多いのに気付くと思います。
外から見た時、思わず帰りたくなる家なのかは、外構の印象も影響します。また、近隣住民も外構のデザインで家に住む人をイメージすることがあります。
お互いが外構に何を求め、何を重要視し、どんな効果を期待しているのかを知る。それがわかると、外構選びがしやすくなり、ストレスを避けながら決められるのではないでしょうか。
あなたは外構工事に何を求めますか?
あなたの本音はなんでしょうか?
外構工事のお悩みやご希望はお気軽にご相談ください。一緒に考えていきましょう。