あなたは何を重視する?外構選びと伝え方のポイント
- 作成者: 吉村建設
- カテゴリー: コラム, 外構/エクステリア工事
- タグ: 外構
家づくりは住みよい暮らしに欠かせないもの。家の外構は暮らしを豊かに彩る大切な役割を持っています。外構は何を重視するかによって必要となる外構工事は大きく異なります。「こんな外構にしたらおしゃれかな?」「こういうのがあったら良いな」など漠然としたイメージだと、いざ外構工事を依頼する際に自分の要望をどのように家族や外構工事会社に伝えたら良いのかわからなくなってしまう人が多いようです。この記事では、どのように外構を選んだら良いのか、そしてどのように相手に伝えたら良いのか、外構選びと伝え方のポイントについて解説します。

目次
Toggle外構工事に期待していることを整理しよう

まず1番最初考えていただきたいのが、「自分は外構工事に何を期待しているのか」ということです。外構工事には「家で暮らす人を守る」「家をおしゃれに彩る」「生活をより快適にする」などといった目的があげられます。しかし実際のところ、これらをすべて取り入れようとすると、要望をまとめることが難しいため、優先順位を決めないといけません。
例えば、人目が気になる性格なので、外から見えないような保護率の高いものを希望。せっかく大きな窓があるのだから、外の景色を見たいとしましょう。海外の田舎町の風景に溶け込んだような草花に囲まれた華やかな家に憧れているから、華やかなものにしたい。門も欲しいけど、門は開け閉めをしなくてはならず手間かも…。
完全に外から見えないようにプライバシー保護率は高めにしたい!でも華やかでおしゃれにして、かつ目立たないもので…。だけど費用は安く抑えたい。それから…。
このように、すべての要望を同レベルで求めてしまうと、外構選びがまとまらなくなってしまう原因になります。そこで、あなたが外構に対して、何を1番期待しているのか、求めているのか、重要にしているポイントは何なのかといった、優先順位を決める必要があります。
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外構選びにおける4つのポイントとおすすめの外構スタイル

外構設計で大切なのは、選び方のポイントを押さえたうえで優先順位を決めることです。優先順位を決めずに施工計画を立てると、予算オーバーになったり完成後に希望と違うと感じたりする場合があります。デザイン性や機能性などのポイントを検討して、家族の暮らし方に合った外構を実現しましょう。
ポイント1:プライバシー
まずは、どの程度プライバシーを確保したいのかを話し合いましょう。プライバシー確保の優先度は人によって異なり、外部からの視線を完全に遮断したい人もいれば、ある程度の開放感があっても気にならない人もいます。家族間で考え方をすり合わせたうえで、心地よく暮らせる外構スタイルを選びましょう。
プライバシー意識が高い方におすすめな外構スタイルは、クローズドガーデンやセミクローズドガーデンです。クローズドガーデンは、塀やフェンスで敷地をしっかり囲い、外部からの視線をシャットダウンできる外構スタイルになります。外側から内部の様子が見えにくいため、庭やリビングで過ごすときに外からの視線を気にせず過ごせます。
セミクローズドガーデンは、適度な開放感を出しつつも、フェンスや塀で一部分を覆って視線をほどよくおさえる外構スタイルです。囲いの高さや素材を調整することで、外からの見え方に変化をつけられるため、圧迫感を避けながらプライバシーを確保できます。
関連記事:プライバシーを確保して快適に暮らす!外構で目隠しする方法とは
ポイント2:デザイン性
おしゃれで美観性が高い外構を実現したい方は、外構デザインにこだわりましょう。好きなインテリアや家具のテイストなどを振り返り、モダンやフェミニン、生活感をおさえたシンプル系など、自分の好みを軸に考えるとイメージを固めやすくなります。
またSNSで好みに近い外構を探したり施工事例を確認したりすると、新しいアイデアを得られます。複数のデザインを比較し、理想に近い外構スタイルを見つけましょう。
外構のデザイン性を重視したい場合は、洋風で華やかな印象になるイングリッシュガーデンも選択肢のひとつです。季節の草花が咲き誇るイングリッシュガーデンは、シーズンごとに表情が異なり、外構の雰囲気を豊かにしてくれます。アンティーク調の家具を取り入れると、さらにおしゃれな外構を演出できます。
パートナーと好みのデザインが異なる場合、双方が受け入れやすい無彩色の配色やシンプルな外構スタイルで全体を整えつつ、舗装や塀などの部分的な要素にそれぞれの希望を取り入れるとよいでしょう。
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ポイント3:生活機能性
外構選びでは、生活機能性も重視すべきポイントのひとつです。生活動線や家族構成、個人の癖などを踏まえて外構を計画すると、使い勝手がよくなり、日々の暮らしの快適性が向上します。
たとえば、駐車時に車体が一定方向に寄る癖がある場合、寄りやすいほうにゆとりを持たせたレイアウトにすると接触のリスクをおさえられます。自分でシャッターを開閉するのが面倒に感じるのであれば、自動開閉のシャッターを採用したほうが、車の出し入れが楽になるでしょう。
また、小さい子どもや高齢者がいる場合は、段差をなくしてスロープにすると移動がしやすくなり、つまずきによる転倒の不安を減らせます。生活ルーティーンが決まっている人や自分の行動を妨げるものがあるとストレスを感じやすい人は、生活動線を意識して外構デザインを選ぶと納得した仕上がりになるでしょう。
生活機能性は、オープンガーデンやセミクローズドガーデン、クローズドガーデンのいずれも、配置を工夫することで高められます。施工業者と話し合い、どのような外構スタイルにするかを検討しましょう。
ポイント4:コスト
外構工事を進めるうえで、デザイン性や生活機能性と同じくらい重要なのがコストです。外構工事費用は、材料の素材やデザイン、施工範囲などによって大きく異なります。予算を明確にしておくと、本当に必要な工事に費用を回しやすくなり、無理のない外構計画を立てやすくなります。
ただし、外構工事はあとから変更しにくいため、費用だけで判断せず必要な機能や将来の使い方も踏まえて検討しましょう。たとえば、予算オーバーを避けるためにフェンスなどの境界線となるものを設置しなかった場合、私有地ラインをめぐって隣家とのトラブルが発生する可能性があります。外構工事のプロに相談しながら必要な部分を明確にし、使いやすさと暮らしやすさが両立した外構を実現しましょう。
コスト重視の方におすすめの外構スタイルは、機能性とコストのバランスがよいセミクローズドガーデンです。クローズドガーデンは、高さのある塀へ門扉を多用するため施工費が高額になる傾向があります。セミクローズドガーデンなら完全に敷地を囲うスタイルでないため、費用をおさえつつほどよい開放感のある外構を実現できます。
理想の外構を実現するための3つのコツ

理想の外構を実現するには、イメージを広げるための情報収集や限られた予算のなかで優先したい項目の整理など、事前の準備が欠かせません。家族間で意見が分かれたときの判断基準も大切です。
施工事例で外構のイメージを広げる
外構デザインを検討する際は、具体的な事例を参考にするとイメージの幅が広がります。たとえば、素材の組み合わせ方や質感、植栽の配置、動線の作り方などを確認でき、自分たちが求めている外構デザインがより明確になります。
施工事例は、SNSやインターネット、外構工事を依頼する業者のホームページなどで確認することが可能です。気になる外構デザインを見つけたら、候補としてリストアップしておくとあとから比較しやすくなります。
施工事例から外構イメージを膨らませている段階では、予算や施工の可否に関係なく、まずは好みに合うデザインを幅広く拾っておくことが重要です。制約を先に考えてしまうと選択肢が狭まり、理想の外構を実現しにくくなってしまいます。初期段階では制約を設けず自由に候補を集め、魅力を感じる外構や避けたいデザインを明確にしましょう。
外構工事の優先順位を明確にする
外構デザインの方向性がある程度見えてきたら、重視したい項目の優先順位を整理しましょう。プライバシー・デザイン性・生活機能性・コストの4つのなかでなにを優先したいのかが明確になると、限られた予算のなかで外構プランを組みやすくなります。
人によって重視したいポイントが異なるため、優先順位を話し合うときは家族ひとりひとりが個別に考えを整理しておくことが重要です。先に結論を出すと意見がぶつかりやすくなるため、まずはお互いの意見を出し合い、相手がどの項目を重視したいのかを把握しましょう。
長く暮らす住宅に関わる計画だからこそ、一方の意見だけに偏らず、双方の希望を踏まえたバランスの取れた判断が求められます。
意見が分かれたら重視するポイントに注目
外構計画の話し合いで家族間で意見が分かれたときは、まず双方がもっとも重視しているポイントに注目すると方向性をまとめやすくなります。
たとえば、一方がプライバシーを重視し、もう一方がコストを優先する場合は、まずプライバシー保護につながる外構デザインを軸に検討するとよいでしょう。そのうえで予算に合う素材や施工方法を選べば、双方の希望を反映しやすくなります。
また、事前に候補としてリストアップした外構デザインと実際に出ている意見を照らし合わせ、採用すべきデザインの方向性を明確にすることも大切です。家族間での意見がまとまっていると、外構業者との打ち合わせでも希望を伝えやすくなります。打ち合わせの時間を有意義にするためにも、お互いの優先順位を把握しましょう。
理想の外構の伝え方ポイント

お互いの外構工事に求めていることがわかったところで、外構工事会社にどのように伝えたら良いのか…。実際を想定した会話例をご紹介しますので参考にしてみてくださいね。
プライバシー重視の伝え方
プライバシーを重視したい方は、家を安心・安全な場所にしたいと考えています。そのため外構工事をしたことにより、プライバシーが損なわれることがあってはいけません。外構工事でおしゃれを追及してしまうと、そのデザイン性からプライバシー効果が弱くなってしまう恐れがあるので注意が必要です。そのため「おしゃれに見えるように」「おしゃれな感じにしたい」と伝えてしまうと、デザイン性の高い外構を提案され、悩んでしまう可能性があります。
この場合、以下のように伝えましょう。
「ずっと住む家なので、安心・安全に過ごしたいです。妻は人目を気にする性格なので、近隣住人の視線が気にならない柵や塀にしてほしいです」「最近誘拐や事故のニュースが多く、子どもがまだ幼いのでトラブルに巻き込まれないか心配しています。プライバシー保護が保たれる外構工事を希望しています」
ポイントは、誰が・どうしてプライバシー保護を重視したいと思っているのかという理由です。「主人が人目を気にしてストレスをためやすい人だから」「妻は休みの日はメイクをしないので、子どもと遊んでいる姿をご近所に見られると恥ずかしいから」など、明確にして伝えるとその必要性が良く伝わります。
○ポイントキーワード
主人が(妻が)~だから
デザイン重視の伝え方
デザイン重視の方で希望デザイン・スタイルが明確なのであれば、「カントリー調にしたい」「イギリスの田舎風景にあるような家にしたい」と伝えられますが、気になるデザインが多いとなかなか難しいものですよね。
そんなときは以下のように伝えてみましょう。
「普段、妻は派手めなブランド・デザインを好みますが、自分はとくにこだわらない性格です。ただ、清潔感のあるものは好きで、妻とその点は共通の考え方です。だから清潔感が感じられて、華やかな印象になるような外構工事スタイルはどんなものが良いですか?」「海外旅行が好きで、海外の街並みもおしゃれで好きです。特に海が好きなので、明るい印象になるようにしたいです。」
このような伝え方をすると「では花壇を取り入れて、華やかさを演出しませんか?」「スタンプアートを使って石畳を表現したらイメージに近づきますね」と、具体的なアドバイスが聞けるので、必要外構工事のポイントを再確認しながら、決めることができます。
○ポイントキーワード
○○のようなデザインが××の理由で好きだから
○○のような家に主人が(妻が)憧れている(希望している)から
機能性重視の伝え方
機能性重視は生活のルーティーンや行動パターンで異なるので、難しく感じるしれません。しかし、普段の生活を振り返ってみると「荷物を抱えて子どもの手を引いてドアを開けるの大変」「駐車するとき、いつも白線オーバーして、真っ直ぐ駐車できない」など、気付くことが多くあるはずです。
そんな生活パターンを考慮して決めたい人には、以下のように伝えてみましょう。
「主人と私の身長差があるので、主人は平気でも自分はこの高さだと見えない・届かないといったことたくさんあります。ソファーに座っていても座高も違うので、見え方も違うんです。こういった場合外構工事でどんなことに気を付けたら良いですか?」「子どもが2人います。上の子はすぐ興味のあるものに向かって走り出してしまいます。下の子がいるのですぐに走れないので、何度もひやひやしたことがあります。下の子は外を見るのが好きなので、見えないと泣き出してやんちゃをします。外構工事はどんなものが良いですか?」
このような場合「ではこんな塀や柵はいかがですか?」「お子さまが興味のあるものへ走ってしまうのならば、あえてポイントとなる木やモニュメント、デザインのものを、止まって待っててほしいところに作って、興味を引くのはどうですか?」といった具合に提案があり、自分では気づかなかった必要外構工事が見えてくるようになります。
○ポイントキーワード
〇〇の理由で××だから(心配だから)困っている
コスト重視の伝え方
費用が気になる人は、出来るだけ安く済ませたいのが本音です。良い物・必要だと頭では理解していても、多くの費用を払うことにどうしても不安がよぎってしまいます。そのため、不安を取り除いてくれる説明が必要で、納得できる理由がないとなかなか決められません。本当はこうしたいのだけれども、不安から我慢をしてしまっていることが多いので、本音が言いづらくなってしまっているかもしれません。
そんな方は、以下のように伝えてみましょう。
「塀や庭があって、ウッドデッキもついているようなおしゃれな家に住みたいです。でも、毎月子どもの出費が多く余裕がないので、コストを抑えたいです。」「妻はガーデニングが好きなのでイギリスの田舎風景のような家に住みたがっています。でも、収入が少ないので、外構工事に予算をあまりかけられません。コストをかけずに外国のようなおしゃれな家にすることは可能でしょうか?」
ここで大事なのは、こうしたいという要望を伝えつつ、経済現状を伝えることがポイント。
優先順位で1位だった一方の要望をまず伝え、でもお金がかけられないという悩みを伝えましょう。そのなかで、ベストな提案を外構工事のプロはするので安心してください。もしコストが2人とも最優先事項であれば、2番目の優先はそれぞれ何だったのか見ると、本音が見えてくるかもしれません。コスト重視の方の失敗しないポイントは、目先の費用だけで考えないことです。
○ポイントキーワード
○○にしたいが、現実は××なので予算が組めないからコストをおさえたい
外構選びは互いを知る良いきっかけになる

外構選びでパートナーが何を重視するタイプか知ることで、お互いを知るきっかけとなります。今まで我慢させていたのかもしれないと気づくこともあるでしょう。また、そんなことを心配していたんだなと、改めて家族に対しての想いを確認できるので外構選びは大切です。
思いやりの心につなげて、長く住める家づくりを考える時間と言えるでしょう。家本体を建てるときは互いの意見を出し合い、言葉に耳を傾けますが、外構工事になると相手に任せてしまって、後から意見を言うパートナーも少なくありません。
家本体と外構工事はセットです。どちらか一方だけを重要視すれば成立するものではありません。家の間取りや内装は理想通りの仕上がりなのに、外構工事が中途半端で、魅力が半減したらもったいないですよね。外構工事は家本体の質を上げるものでもあります。お互いを知れば知るほど、満足度が2倍にも3倍にもなるのではないでしょうか。
まとめ
外構工事は、建物の間取りや設備などと比べて後回しにされやすい部分ですが、住宅の印象を左右する大切な要素です。玄関までのアプローチや庭の配置、塀の高さなど、どの外構も日々の生活に深く関わっており、外構が整っていると暮らしの質が上がります。理想の外構を考えるときは、どのような暮らしを実現したいのかをイメージすることが大切です。見た目の美しさだけでなく、生活動線やお手入れのしやすさ、プライバシーなどを考慮し、快適な暮らしを実現しましょう。吉村建設では、お客さまの希望や予算に合わせて、理想の外構づくりをサポートいたします。香川県でデザイン性・機能性・快適性に優れた外構工事を依頼するなら、当社にお任せください。






