庭をおしゃれに彩るコンクリート施工のメリットと方法
コンクリートは、耐久性に優れていることから駐車場やフェンスの施工に用いられますが、最近ではデザイン性を重視して庭に取り入れるご家庭が増えてきました。おしゃれな空間演出にも最適な素材ですが、そのまま使用しただけではデザイン性が高い空間にはなりません。この記事では、コンクリートで庭をおしゃれに彩る方法と注意点をご紹介します。これからご自宅の庭の工事を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
庭をコンクリート施工するメリットとは
これまでのコンクリートは黒やグレーといったシックなカラーが中心でしたが、最近ではカラーバリエーションが豊富になり、景観に調和した色合いをセレクトできるようになりました。つまり、彩り豊かな空間づくりが実現しやすくなったといえます。
コンクリートに直接色を混ぜ込み素材全体に着色しているので、床の表面だけに着色した塗装と異なり、美しい色合いを長期間保つことができます。ヨーロッパの歴史ある建造物が、長い月日が経っても美しい景観を維持できているのは、コンクリートの特性を最大限に活かしているからではないでしょうか。一般的にコンクリートは床を平らに施工することが多いですが、円形状や目地(めじ)といったデザイン性を持たせる方法もあります。施工次第ではモダンなテイストから高級感、ビンテージな雰囲気まで自由に空間をコーディネートできるのです。
家の外観や庭の景観を美しく保つためには、耐久性やメンテナンスのしやすさにも考慮する必要があります。砂利や芝生、天然の木はおしゃれな空間演出がしやすい素材ですが、耐久性が低いため自動車・自転車のタイヤ痕や雨による泥はねの影響で見栄えが悪くなりやすいです。
一方、コンクリートは高い耐久性があるので景観の見栄えを維持しやすく、ガーデニングを楽しみたい庭に最適です。耐火性にも優れていることから、ファイヤービットを利用する環境にも適しています。油や食べ物の飛び跳ねで汚れても水で落とせるので、お手入れも簡単です。土がむき出しになっている地面と異なり、コンクリートは雑草が生えてこないので、害虫対策にも有効です。除草剤や害虫駆除薬を使用しないので、小さなお子様やペットが薬に触れたり、口に入れたりする心配がありません。
せっかく庭をおしゃれに仕上げても、手入れやメンテナンスに手間がかかると美しい状態を保つのは難しいですが、デザイン性と機能性を兼ね備えたコンクリートであれば実現できるのです。
コンクリートとアスファルトの違い
コンクリートのほかにもアスファルトで庭を施工する方法がありますが、施工方法や施工期間、メンテナンスの頻度は大きく異なります。
コンクリートは硬く柔軟性がないので温度変化により、ひび割れが起きやすい素材です。そのため、施工の際には溝(目地)を設けたり、コンクリートを流し込んだ後はしっかりと乾燥させたりする必要があります。乾燥していないうちに重量が大きいものを載せると、ひび割れの要因になってしまうため施工期間がかかります。時間と手間を要するので施工費用が高くなってしまいますが、その代わり耐久性が抜群なので美しい状態を長期間保つことができます。
一方、アスファルトは弾力性があるのが特徴的です。施工は地面をならし、アスファルトを敷いて上からローラーで圧力をかけるだけなので、コンクリートよりも短期間で仕上がります。硬化するのも速く、工事をしたその日のうちに使用できるため、施工費用を安く抑えることが可能です。工事の手間とコストがかからないアスファルトですが、耐久性は欠けてしまいます。劣化が進むのが早く数年に一度は施工をする必要があり、その度に費用がかかることを考えると、コンクリートの方がコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
コンクリートで庭をおしゃれに彩る方法
コンクリートで庭をおしゃれに彩る方法はさまざまありますが、イメージするテイストにあわせて施工をすることが大切です。それぞれの特徴を押さえて、理想のおしゃれな庭を実現していきましょう。
コンクリートの施工範囲を調節する
コンクリートを広範囲に施工すると無機質な印象になりやすいため、理想のテイストにあわせながら範囲を調節することが大切です。ヨーロピアンスタイルやナチュラルガーデといった暖かみのある雰囲気に仕上げたい場合には、コンクリートの範囲を狭くすることがポイントです。さらに、家の外観デザインと統一すると、一気におしゃれな空間を実現できるので、庭と外観に使用する素材の材質とカラーを統一することを意識しましょう。
コンクリートの目地でデザイン性を持たせる
目地(めじ)は、コンクリートのひび割れ防止の目的で用いられる施工法ですが、デザイン性を持たせる役割もあります。目地にほかの素材を取り入れることで空間のアクセントになり、庭の景観がより一層おしゃれになります。レンガ・ピンコロはアンティークやラグジュアリーな演出も楽しめるでしょう。砂利は黒やグレーなどのダークカラーを使用すると、重厚感あふれる演出ができ、黄色やオレンジなどの暖色系は暖かみのある雰囲気に仕上がります。緑溢れる芝生はおしゃれさと癒しを与えてくれます。
コンクリートを円形状に施行する
コンクリートを円形状やR形状にすると、無機質な地面が柔らかな雰囲気に変わります。円形状の中心にはシンボルツリーなどを植えると庭にアクセントがうまれ、より一層おしゃれに仕上がります。庭にアプローチを設けるさいにコンクリートで曲線にすることで、意匠性の高い空間を追求できるでしょう。庭全体にコンクリートを流し込むのとは異なり、施工範囲が限られているので照り返し対策にも効果的です。
カラーコンクリートで庭を彩る
カラーコンクリートは、庭をおしゃれに彩ることが可能です。有機材料をもとに作られる塗料と異なり「赤・黄・緑・茶・黒」の色合いを組み合わせて作るため、自然な色合いを演出できます。コンクリート全体に着色を施すので、色落ちしにくく美しい見た目を保つことが可能です。スタイリッシュな雰囲気に仕上げるならブルーなどの寒色系、柔らかでナチュラルな雰囲気に仕上げるなら黄色やオレンジなどの暖色系のカラーを選びましょう。
ほかの素材と組み合わせて庭をおしゃれに魅せる
コンクリートと他の素材を組み合わせる方法は、選ぶ素材やどこに配置するかでコーディネートの幅が広がります。砂利は色や形状も豊富にあるので、デザインにあわせた空間づくりがしやすいです。芝生は自然を感じやすく、見栄えも明るくなります。四季の景観を楽しみたい方は天然芝、メンテナンスの負担を減らしたい方は人工芝の活用がおすすめです。植栽なども併用すると、コーディネートの幅が広がり心身に癒しを与えてくれる効果もあります。
洗い出しの施工法を用いる
洗い出しとは、コンクリートにセメント・砂・砂利を混ぜ合わせ、施工後に表面を水で洗い流して仕上げる施工法です。表面に砂や砂利が見えるので無機質なコンクリートが一気におしゃれな見た目になり、別の素材を使用しなくても意匠性が溢れる空間演出ができます。コンクリートに混ぜ合わせる石の色を変えれば、どんなテイストの庭でも相性抜群です。和風の家に黒の石を使用すると高級感漂う雰囲気の庭になり、洋風の家には黄色や赤色の石がマッチします。
デザイン性の高いスタンプコンクリートを使用する
コンクリートの表面にスタンプの型を押しつけて模様・着色を施す施工法で、天然石や木材、レンガといった本物の素材の質感と風合いをリアルに表現できるのが特徴的です。全面にデザインを施すことでインパクトのある空間になり、アクセントとして庭の一部に使用するだけでもおしゃれさが増します。当社は、このスタンプコンクリートを用いた外構工事を得意としており、庭の施工実績が豊富にございます。
スタンプコンクリートでデザイン性を兼ね備えた庭が実現
スタンプコンクリートはカラーのみならず、デザインの種類も豊富なため、組み合わせ次第でアレンジの幅が無限にあります。既存の型を用いて模様を施すほかにも、オーダーメイドの型を作成することもできるため、個性性溢れるおしゃれな空間を作ることも可能です。
ヨーロッパの街並みをイメージさせる石畳みや、雰囲気のあるレンガ敷き、味わいのある枕木といったデザインを表現できます。イメージに近いテイストを選ぶことができることから、人気のテーマパークの地面にも活用されています。おしゃれな外構を演出できるのはスタンプコンクリートの大きな魅力ですが、美しい状態を保ちやすくお手入れも簡単なことから、最近ではショッピングセンターや一般住宅の外構工事にも利用されることが多くなりました。
スタンプコンクリートに利用されるコンクリートは、高い耐久性が求められる橋脚や擁壁(ようきゃく)等で使われるものと同じ素材で、一般的なコンクリートよりも耐久性が2、3倍も高い特徴があります。表面はコーティングを施しているので、経年劣化により着色の色褪せや模様が剥がれにくくなっており、美しい状態を保つことができるのが強みです。
コーティングをすることで汚れがつきにくいため、まめなメンテナンスが不要です。レンガやタイルといった素材と異なり表面が滑らかになっているので、がたつきがなく車イスやベビーカーでの移動もスムーズです。このようにスタンプコンクリートは、美しい庭の景観を演出するデザイン性と機能性をあわせもつことから、快適な暮らしを送ることにもつながります。
コンクリートで庭を施工する際の注意点
コンクリートはデザイン性と機能性をあわせもつ素材ですが、いくつか注意点もあります。工事を失敗しないためにもあらかじめ確認し、対策をしておくことが大切です。
庭をコンクリートで施工すると雑草や害虫対策に効果的ですが、熱の伝導率が高く、日差しが強い夏は照り返しにより温度が上昇しやすいです。場合によっては素足で歩けないほど暑くなってしまうので直射日光を防ぐ必要があり、「コンクリートの施工面積を抑える」「植栽を植える」「シェード・テント・タープ等などのオーニングを設置する」といった対策を取り入れてみましょう。
スタイリッシュな空間作りにはコンクリートは最適ですが、床一面に施工すると殺風景な景観になってしまいます。ナチュラルガーデンのような自然な景観を好む方は、床の一部に芝生や植栽を植える、レンガやタイルなどの素材を組み合わせてコンクリートの施工範囲を調節するといった対策が必要です。ただし、コンクリートの近くに土がある庭だと雨が降った時に泥はねで汚れやすくなってしまうので、コンクリートと土が隣接しないように気をつけましょう。
泥がついても雨が上がった後に水洗いで流せますが、泥が乾くと汚れが落としにくくなってしまいます。見栄えや手入れの負担を減らすためにも、コンクリートと土の間に他の素材を挟んだ設計にする方法もあります。コンクリートの目地に他の素材を入れることで、おしゃれな演出も可能です。
コンクリートの庭をおしゃれに維持するためには、水はけをよくすることが大切です。カビやコケが繁殖しやすいので見栄えが悪くなってしまうだけでなく、床が滑りやすくなり転倒のリスクが高まります。カビ取り剤やコケ専用の駆除剤、高圧洗浄機で対策はできますが、費用と手入れの負担がかかるので、勾配を設けて雨がコンクリートに溜まらないよう排水経路を整備することが大切です。
工場の機械で大量生産される製品と異なり、コンクリートは現場で人の手で着色や施工をします。そのため、同じ施工方法でも業者によっては仕上がりに差が出てしまうのです。施工実績が多い業者を選ぶと、知識・経験が豊富なので安心して工事を依頼できます。お客さまひとりひとりの要望にあわせたデザインを提案してもらうことができ、理想のおしゃれな庭を実現できるでしょう。
まとめ
コンクリートはカラーやデザインバリエーションが豊富なことから、おしゃれな庭づくりに最適です。さらに、耐久性や手入れの容易といった機能性も兼ね備えており、美しい庭を維持しやすいので快適な暮らしを送ることにもつながります。
イメージに近いデザインにするためには、コンクリートのカラーやどのような施工が適しているか把握しておくことが大切です。今回ご紹介したコンクリートで庭をおしゃれに彩る方法や注意点を参考に、理想の空間にしていきましょう。